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アレクサンドリア      


2009年  スペイン(AGORA)
アドベンチャー・歴史   

<監督>アレハンドロ・アメナーバル
<キャスト>レイチェル・ワイズ, マックス・ミンゲラ, ホマユン・エルシャディ

<ストーリー>
4世紀末、エジプトのアレクサンドリア。哲学者であり、天文学者でもあるヒュパティア(レイチェル・ワイズ)は、教え子たちに学問を授け、天文学の謎に挑むことに情熱を傾けていた。しかし、キリスト教の台頭により、時代は、混乱の時期を迎えていた・・・。

<感想>
美しく、聡明で、人望もあった、エジプト、アレクサンドリアの学者、ヒュパティアの物語です。

1600年ほども昔のエジプトの話ですが、街は明るく、開放的で、女性の地位も男性に劣らず、知的な時代のように見えました。
その象徴としての、女性哲学者・ヒュパティアの存在です。

元々エジプトは、紀元前には、クレオパトラが女王として君臨していたわけだし、男女の差別は、あまりないお国柄だったのかもしれません。
身分としては、ヒュパティアのような上流階級と、ダオスのような奴隷のように、階級がありあますが、ヒュパティアは、身分には、あまり頓着せず、学びたい者には、学問を授けていたようです。

そんな彼女の元へ、時代の波が、容赦なく襲ってきて、
それまでのエジプトの宗教は、キリスト教に取って代わられ、いつの間にか、異教として、弾劾の標的になり、ヒュパティアの悲劇がおこるわけです。
宗教の共存は、不可能なのでしょうか。
この映画では、珍しくキリスト教が、悪役となっていましたが、神を信じる者同士の争いは、いつも、後味の悪いものです。

ヒュパティアの最期は、映画では、美しく描かれていましたが、実際には、とても残虐なものだったということです。
同じ人間に、どうしてそんな事が出来るのでしょう・・・。

主演のレイチェル・ワイズは、聡明で美しいヒュパティアが、よく合っていました。
でも、時の流れの変化があまり感じられなかったのが残念かな。
その辺りの時代の流れは、彼女の教え子たちが、出世した姿で表されていました。

ヒュパティアに情熱的に求愛したオレステス役のオスカー・アイザック。
若い頃の彼は、いけ好かなかったけど、その後、長官の地位に就いた後の彼は、なかなか良かったです(^^)。(2012,05,11)



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