西東京市では 土日や長い休みの間、学校で飼う動物の世話はどうしていますか。家につれて帰ったり、当番が登校してめんどうをみたりと、うまくやりくりしてる学校があります。動物を飼う意味を考え、おうちの人の協力をえてのことです。東京都西東京市の例を紹介します。
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ちょっと重たいけれど、がんばってモルモットをつれて帰る2年生。休みの日は順番に家で世話をします=東京都西東京市の田無小で
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田無小のモルモット 週末は子どもたちの家で 金曜から月曜まで「お泊まり」 田無小では2年生3クラスが、それぞれモルモットを1匹ずつ飼っています。ふだんは、教室におかれた大きなプラスチックの衣装箱がおうち。でも金曜日の放課後は、小さなケースにうつしかえられて「お泊まり」にいきます。
泊まるのはクラスの子の家です。家には、段ボールの広いおうちが用意されています。学校から持ち帰ったエサと水やり器をそなえつけ、2日間をすごします。月曜日は、子どもたちといっしょにまた「登校」します。 「お父さんは動物が大好き。月曜日の朝はさみしがっているの」「1年生の子が、うちに見にきたよ」「学校では4人で世話をするけど、家ではひとりだからがんばるんだ」と、2年生は口々にいいます。
モルモットを飼い始めて4年目。毎年2年生になる前に、モルモットをあずかれるか保護者にアンケートをします。アレルギーや、家に赤ちゃんがいないかなども確認します。 各クラスとも約半数の17、8人が協力し、順番にあずかっています。あずかれない家は、野菜を持ってきたり、ケースにしく新聞紙を持ってきたりと、別のことで協力します。 「命の大切さを知る、弱いものを守ることを学ぶ、といった飼育の目的をきちんとつたえているから、これだけ協力がえられるのではと思います」と、2年生の担任の宇野千鶴子先生は話しています。
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休みの日にウサギの世話に来た親子のボランティア。土日もふだんとかわらず、ほぼ1日2回世話をしています=西東京市の向台小で
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向台小のウサギ 親子で登校し一緒に世話 全学年が協力、午前と午後に ウサギ3羽を飼う向台小は、飼育担当の4年生だけでなく、全学年の保護者に協力をよびかけています。土日もほぼ午前午後の2回、子どもだけでなく保護者も来て世話をします。
日曜日の午後、当番の男子(3年)が、野球の練習帰りに来ました。お母さんと飼育小屋に入ると、テキパキとふんの始末をし、水を入れかえ、エサを足し、キャベツのきれはしをあげます。休みの日の世話で、ウサギの耳の中があたたかいことや、食べ方がおもしろいことに気づきました。7回くらい来たといいます。 母親の憲子さんは「なれたら10分ほどで終わります。1日でもあくとけっこうよごれるし、夏場はにおいもするから、やはり、かわいそうですね」と話します。
向台小でウサギを飼い始めたのは、約1年半前。PTAから「動物とふれ合う機会を」という声が上がっていました。 休みの日のボランティアは飼い始めたときからです。動物好きの家庭にかぎらず、これまでにのべ100家庭くらいが協力しました。学校側も、世話の手順を書いたり、小屋に入る長靴を用意したりと、受け入れ態勢をととのえています。
毎日世話するのが基本 学校が休みの日に飼育動物をどうするかについては、大阪府教育委員会が8月末、大阪市をのぞく府内の小中学校について調べたところ、先生が当番で行ったり、地域の人にたのんだりという例がありました。 中には、月曜日が祝日になった連休などは、休みの前日に多めにエサや水をやるという学校もありました。
「全国学校飼育動物研究会」事務局長で獣医師の中川美穂子さんは「生きものなのだから、毎日世話するのが基本。めんどうと思っても、それをするからこそ、弱いものをいつくしむ心、労働のよろこびがえられる」と話しています。 |
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