教師のあげる問題点
平成13年3月報告
学校飼育動物:獣医師会と教育委員会との
連携事業の成果に関する調査報告抜粋
 文部科学省国立教育政策研究所:科研費研究
「初等中等教育における生命尊重の心を育む
実験観察や飼育の在り方に関する調査研究」より
日本学術振興会科学研究費補助金研究(課題番号11680202)
(研究代表者:鳩貝太郎 (文部科学省 国立教育政策研究所 教育課程研究センター 総括研究官)
 
  
      この報告書の内容(目次など概要)          
                                                 日本小動物獣医師会 学校飼育動物対策委員会
                                     副 委 員 長  中 川  美 穂 子 
 学校での飼育を獣医師が考えるような望ましい状態にし、飼育動物が児童の心に良い効果を顕わすように、平成に入ってから、各地で地域獣医師会が学校に関わり現場の教師を支えている。特に平成10年度からは、各地で小学校の動物飼育に教育委員会などと連携して関わっている獣医師会が急増しており、全自治体の1割にもなると思われている。

 今回、研究協力者として、これら教育委員会と連携事業をして学校に獣医師が関わっている地域と、まだ関わっていない地域の小学校での「飼育と獣医師への評価」を比較調査することが出来たのでその一部を報告する。

 この調査は上記表題の通りであり平成13年1月に文部科学省の国立教育政策研究所の日本学術振興会科学研究費補助金(課題番号11680202,研究代表者:鳩貝太郎*)で行われた。代表の鳩貝氏は平成13年1月の組織改編前は,国立教育研究所科学教育研究センター生物教育研究室長であり、平成12年の日小獣の年次大会後、筆者と桑原保光群馬県獣医師会動物愛護指導委員会委員長に協力を申し入れてきたのである。

 獣医師は他に東京都獣医師会北多摩支部(小平市)の木村肇獣医師がかかわった。他の研究員は、玉川大学の竹内教授、福岡市の中村学園大学の梅埜教授、筑波大学付属小学校の森田教諭をはじめ各地の校長、小中学校教諭、動物園園長、国立教育政策研究所研究員、など、総勢18名であった。なお、森田教諭と大井町立大井小学校の一寸木教諭は、ともに文部省のマニュアル作成委員であり、中川が協力依頼した。

 この報告書は18名がそれぞれの立場から、飼育動物と児童の成長について記述しているが、獣医師3人で、「飼育動物の役割」、「学校飼育動物の維持管理法」、「学校飼育動物と動物愛護法」、「自治体の地域獣医師会との連携」、「群馬県での教職課程への獣医師の関わり」などを担当した。また、中川はこの研究班が行った自治体と獣医師会との連携の評価の調査を担当し、鳩貝室長とともに結果を「学校飼育動物の現状と課題」としてまとめ報告を書いた。 この180ページにも及ぶ報告書は新年度、各県の教育センターや大学の教育学部,また、調査対象地区の小学校など関係者を含めて約700箇所に配布され、文部科学省の視学官はこの報告書は指針になると評価している。

 なお、鳩貝班長の了解を得て中川と鳩貝氏がまとめた調査部分の中から、一部を抜粋してここに報告する。
これらは今年度日小獣の大阪での年次大会の抄録に掲載される予定である。

 この180ページにも及ぶ報告書は新年度、各県の教育センターや大学の教育学部に約350箇所に配布されたが、文部科学省の視学官も「これは指針となる」と評価している。 なお3人の獣医師が書いたのは70ページにもなっており全体の半分近くを占めている。

鳩貝班長の了解を得て中川と鳩貝氏がまとめた第2章の各論「学校飼育動物の現状と課題」のアンケート調査部分の中から、一部を抜粋してここに掲載する。
 

「生命尊重の心を育む実験観察や
飼育の在り方に関する調査研究」抜粋
(1) 調査時期、対象地域と回答率
この調査は平成13年1月に行われた。
  
対象は獣医師会と教育委員会との連携事業を始めて3年以上経過し、かつ各学校を獣医師が訪問指導をしている地域から106校、まったく連携事業を行っていない地域から約116校を抽出した。地域と回答率は以下のとおりである。
連携地区  106校、回答率 75,5%
 
地区 
全学校数 
回答校数
回答率(%) 
連携初年度
旧保谷市 
11
 8
72 
平成3年度
小平市
20
14
70 
平成4年度
旧田無市
9
4
36
平成8年度
秦野市 
13
11
84
平成9年度
川越市 
33
27
81
平成10年度
渋谷区 
20
16
80
平成10年度
非連携地区 合計116校 回答率72%
地区 
全学校数 
回答校数
回答率(%) 
中野区
29
21
72
立川市
21
12
57
国分寺市
10
40
小金井市
77
松戸市
47
38
80
 回答率の悪い地域が見られるが、地域的な事情があるのか、または動物の価値がまだ認められていないのかとも考えられる。
(2) 回答記入者
非連携地区では委員会担当が回答に記入しているが、同時に教頭が書いている学校が多い。連携地区では委員会担当の他、生活科担当が目立つが、教頭はきわめて少なく飼育分担が確実に行われていることを表している。
(3) 飼育動物の現状と課題:調査結果と考察   以下中川美穂子執筆  
    
、飼育の問題点(図1)
ア、 休日の対応
 教師は飼育の問題点として、連携地区、非連携地区ともに「長期休みの世話」を挙げている。普段の「土、日の世話」については順位が下がる。現在のところ土日の休みは餌を多く置くことで対応しているのが最多である。当番を決めて対応しているのは両群ともに30%であった。長期休暇は殆んどが当番をきめて対応しており、当番は児童の場合が殆んどである。児童の動物への愛情が不足しているときは、児童が当番を果たさないときがあり問題を含んでいる。また、児童の安全上、休日に登校させない学校が増えてきているため、児童が親と一緒に世話に来る例、当番の教師のみが行う例なども見られている。親と一緒に登校する例では、親子の会話を誘い良い効果が見られている。

 また、この長期休日への対応として大阪や京都で動物貸し出し業者からレンタル動物を飼育し、休暇に引き取ってもらったり、病気時には動物を取り替えたりしている例が多く見られるが、飼育は苦労があるから喜びも多くなるのであり、レンタル飼育では得られる効果も少なく、命への理解を誤る危険がある。面倒を回避する事を社会は歓迎している風潮があるが、命への理解や愛情を教える飼育としては成り立たないだろう。 (下図 連携地区80校、非連携地区83校) 

イ、 その他の傾向
 非連携地区の学校では「動物の病気や怪我」についての悩みが大きいが連携地区では、獣医師の支援があるため少ない。また「児童への健 康の心配」について、連携地区の方が気にしている事が解り、意識が進んでいると思われる。なお、動物由来感染症を予防するために一番注意しなければならない動物の「入手法」について問題にしている学校は少ないがこれからは入手法についての指導が大事であろう。

2、 飼育舎の構造
学校での飼育のトラブルの原因を平成5年 の日本獣医畜産大学学術交流会の学校飼育動 物シンポジウムのための調査(中川報告)で、獣医師は、1)飼育舎の不備、2)飼育数が多すぎること、3)教師の無知の3点を挙げている。つまり飼育舎を適正にし、繁殖しないように飼育数を保てば動物のトラブルはなくなるともいえる。
今回の調査では、消毒もできずウサギの管理上も問題の多かった飼育舎の土床は急速にコンクリートに変わっていることがわかった。現在一番の多い形態は床の一部分を土にしたコンクリートの床である。土が一部分なら毎日の掃除で徐々にすくなくなり、新しい土を足すことで清潔さを保つことが出来る。また全土を取り替えるときも
総量が少ないので簡単に行うことが出来る。コンクリートは消毒、掃除が簡単に出来、また乾燥も保ちやすいことが浸透してきたと思われる。また、ウサギが穴を掘れないため地下にもぐって子供を産んだり、落盤事故で死ぬなどということが無いため、コンクリートの床の方が管理し易いのである。 しかし、寒さを防ぐために必ず巣箱を備える必要がある。
 その他、屋根、壁、屋根材、排水、給水などを調査したが、ここでは割愛する。
3、 飼育数と飼育法
 学校での飼育の問題は飼育舎の1部屋に何種類もの動物を生活させたり、ウサギを繁殖するままにして住環境がまもられず、また動物間やオス同士の喧嘩が繰り返されることであった。
 今回の調査では、飼育舎での飼育動物の種類数やウサギの飼育形態を中心に調査した。
ア、 舎飼育動物の種類数と飼育形態
 対象地区ではウサギを飼っている学校が全体の70%近く、ニワトリ類を飼っている学校が40%以上を占めている。飼育種を見ると、1種類または2、3種類を飼育している学校が殆んどを占め、多種飼育をしているところは少数派であった。
 その3分の1は異種動物を同居させていたが、別居させているのが連携地区で44%、非連携地区で27%であった。非連携地区は単独種を飼育している例が半数近くを占めた。

イ、ウサギの飼育数と飼育形態
 前項のごとくウサギを飼育する学校が全体の70%近くを占めていたが、平成5年の日獣大学での調査ではウサギを飼っている学校が89%であったので、大分ウサギを飼う学校が減少しているのが解る。これは特に連携地区、非連携地区の差は見られない。

ウサギの1校あたりの飼育数は、連携地区では2頭までが多く、非連携地区では3頭が一番多く見られた。それ以上を飼育する学校は両者ともに減少するが、時に20頭以上の所や、50頭以上などというところも散見される。また、飼育形態は「オスとメスを別居させている」が連携地区、非連携地区ともに全校の4分の1近くを占めている。「オスメス同居させている」学校は非連携地区に多いが連携地区でも見られている。連携地区は去勢済みである事を期待したい。また、性別を判別できないまま同居させていると答えた学校も連携地区で2校、非連携地区で4校あるのが非常に気になることである。
 

4、動物の怪我や病気への対応
ア、相談相手の有無と病院利用
 連携地区では、86%の学校が、動物に関する「相談相手は獣医師」と答えている。非連携地区では23%に留まっている。また、「平成12年度中に動物病院を利用した」学校は、連携地区で63%あったが、、非連携地区では34%とほぼ半分であった。利用回数は非連携地区では殆んどが4回以下であったが、連携地区では何回も病院を利用しているのが11%もあり、気軽に動物病院を利用している事がわかる。連携事業があるので、連携地区の学校では治療の必要な動物を子供たちの目前に放置しないですんでいると言える。

イ、 診療費の負担について
 現在、学校飼育動物の診療費について十分に予算を用意している自治体は殆んど見られない。今回対象地域の学校の回答から、診療費の由来を明らかにした。
(図3) 連携地区では診療費は「公費」と「教育委員」が負担してると答えた学校が90%であった。非連携地区では全体の42%で半数に満たない。 後の50%は「獣医師」が負担し「教師の個人負担」も見られる。これは平成5年の日獣大学のシンポジウムでの筆者の報告と全く同じである。

 非連携地区では、未だに動物の治療費が用意されおらず、結果子供たちの目前で傷病動物を放置することになる。学校の動物は児童の教育の為に飼育されているのであるから、この部分を手当てする必要がある。動物に関わる経費を教師個人に心配させては心からの飼育は出来ず、教師が気軽に動物を病院に連れてこられるように自治体は体制を整えるべきであろう。

 なお、現在各地で行われている教育委員会と獣医師会の連携事業の中で、診療費をすべて行政が負担する契約は極少数である。つまり自治体と地区獣医師会の連携事業の有無に関わらず、治療費を獣医師個人がある程度か、または殆どを負担している事実は以前とあまり変わりが無い。しかし、以前は獣医師がすべてを負担し、しかも動物も児童も教師も獣医師も悲しい思いをする事が多かった。それに比べれば現在連携している地域では、学校が獣医師の指導を受け入れてくれるので改善効果が大きいのである。飼育法を間違わなければ、動物はあまり治療を必要としないだろう。

ウ、動物の死亡時の処置
 死亡後、「児童とお別れをさせた」例が連携地区で死亡体験のある学校の68%、非連携地区では63%であった。また「お別れをさせない」と「児童に見せないようにする」との合計は、連携群で18%、非連携群で26%であった。また、死体の処置は殆んどの場合校内に埋葬している。またごみとして処理しているのは連携地区で5%、非連携地区で10%であった。やはり児童がかわいがっている動物なので、お別れをさせ、埋葬することが求められる。なお、連携群のほうが「お別れ」の比率が高いのは獣医師の影響が現れていると思いたい。

動物の死に際して児童は多くのことを学ぶだろう。是非、死を教えてもらいたい。中学生にたいする死の意識調査では、「可愛がっていた動物に死なれた経験を持つ中学生は、自殺に否定的であった。」とのことである。せっかく普段から苦労して飼育している動物なのだから、その死を十分役立てたいと思う。また親しみが薄かった場合でも、獣医師を活用すれば、死因の検索などを通して生命教育をする機会となる。 今、心の教育を進めなければならない時、獣医師は学校が「可愛がる飼育」を実現しその結果、命の重さ、思いやり、介護、死の意味など多くの事を児童に伝えられるように支援して欲しい。

5、担当教師の気持ち(図4)
    担当教師が続けて飼育を担当したいかどうかの気持ちを調査したところ、積極的ではないが 「やっても良い」という教師が両群とも全体の70%近く見られた。理由として非連携群には「ほって置けない」「死ぬと困る」「児童によさ を伝えたい」などが、連携群に比べて多く見られた。
 特筆すべきは連携群に、「動物が好き」と答えた教師が43%もおり、非連携の25%と明らかに差が生じていた事である。獣医師の飼育支援により教師に動物を可愛がるゆとりが出ていると思われる。
6、獣医師会との連携の評価








 今回の教育委員会と連携をしている対象地域 では、獣医師が学校を訪問して教師、児童と交流しているが、教師に各学校での実際の活動を上げてもらった。(図5)

 

 学校により相当差があるが、様々な支援をしている。連携群でも「動物の治療」は多いがそれ以外の「飼育委員会への指導」「日常的な相談にのる」などの活動がみられる。訪問活動を通じて獣医師との信頼関係が出来ると、学校は「ゲストティチャー」や「講話」など、児童の体験を豊かにするために専門家の協力を求めてくる。

 今、全国的に行われている衛生調査、指導については特に教師は言及していない。衛生調査や指導は「日常の飼育指導」の一環であり、ごく限られた部分である。学校が獣医師に求めているのはもっと教育に直接関わることだとわかる。なお、「動物の治療」の件数は、獣医師が学校に訪問していくうちにだんだん減少してくることが、先進地域でみられている。

 





連携群では、獣医師会との連携事業を「非常に良い」が39%、「良い」が44%と、合計83%もの学校が歓迎している(図6)。また、非連携群の学校では、獣医師会との連携を望むのが58%であった。望まない教師はまだ獣医師を信用できないのだろうと思われる。




        

(4) おわりに
 筆者が昭和55年、当時自分の子供が通っている学校などで初めて学校での飼育を知り、自分たちが息子たちに教えてきた動物の見方とはまったく異なる現状を、なんとか改善したいと近隣の獣医師と一緒に学校にかかわり始めてもう20年になる。その後、経緯があり平成3年に筆者の住む旧保谷市教育委員会が地元の獣医師を飼育指導のために市立小学校に派遣したのが、最初の「飼育指導を伴う教育委員会と地区獣医師会との飼育支援事業」であった。その後同じ獣医師会管内の小平市など近隣の市に広がり始めたのである。

 それから10年経過した現在、各地でこの連携は広がりを見せ、今、「学校飼育動物対策」との言葉が社会に広がりつつある。

 今回、この調査に関わらせていただき実際に連携している地域の教師の感想を頂いたのは幸いであった。連携群として、教育委員会と獣医師会が連携事業を始めて3年以上が経過し、しかも獣医師が学校を訪問して現場と交流している地区の対象校を抽出させて頂いたが、これらの地域では83%の学校が獣医師会と教育委員会との飼育に関する連携事業を評価しているのを知って、安堵しているしだいである。また、「動物が好き」だから飼育を担当しても良いと答えた担当教師が明らかに連携地区に多かった事は、獣医師の支援の効果と捉えられ、嬉しいことである。一方、獣医師との連携について認識していない学校の例や、獣医師側の問題に対する課題も頂いた。今、全国で広がりつつあるこの連携事業が方向を間違わないように、また獣医師の対応の向上など整備するときであると考え、獣医師側もこの資料を活用していただきたい。

 現在各地でこの問題に懸命に関わっている獣医師は、児童と動物が良い関係をむすべるように手伝いたいと努力しており、そのために教師、学校を支援したいと考えている。この学校獣医師制度は子を持つ獣医師の気持ちから自然発生的に生じてきた活動であり、最近急に行われてきている保健所や家畜衛生保健所の衛生調査とは目的を異にしている。衛生調査に携わる方々も、法律に従いながらも児童の心を第一に考え、ともに協力しあいたい。児童が名前をつけて可愛がっている動物を、役所は淘汰と言いながらも大事に扱ってもらいたいと思う。

忘れてはならないのは、学校担当獣医師は学校に飼育法を監視に行くのではなく、飼育に関わる学校の苦労を減じ、児童の健全育成に役立つような飼育の実現を支援に行くということである。「飼育に関わる教師の気持ちの調査」の回答に、「学校での飼育環境が悪く、辛い気持ちになることが多い。」と書いた教師があった。他にも多くの現場の教師、校長先生方から、「飼育舎を覗くと、動物の状態に胸が痛くなるけど、仕方がない。」との声を聞く。獣医師も同じ思いである。また、児童に同じ思いをさせたくないと思う。これが、全国の殆どの獣医師が、今も昔も、学校飼育動物の診療費を無料または非常に廉価にしか請求しなかった理由であろう。

非連携地域、また新しく連携を始める地域などでは、すぐには獣医師と教師の信頼関係が築けないかもしれないが、小さな違和感を何とか解決し、大きな「子どものために」という目標だけを考えてこの制度を広げて欲しいと念願している。

なお、教育委員会との連携活動のガイドラインとマニュアル本を示すので、ご参考にして頂きたい。

1、連携方法ガイドライン

学校の飼育を本当の意味で支援し、児童と動物の交流を豊かするためには、専門家である獣医師が学校飼育現場で教師と交流することが必要である。その後、信頼関係が出来たらお互いの気持ちで、獣医師をゲストティチャーとして迎えるなど、児童への直接的な語りかけを行いたい。
基本的、また最低必要な連携の内容は以下のようである。  
「学校獣医師制度(学校への飼育支援体制)」 (現在多くの地域でこれに順じて行われている。)

*教育委員会と校長会と獣医師会の3者で協議の場を設ける。(一番大事)
    児童と飼育動物について毎年定期的に、3者で事業の成果と問題点を確認し、検討する。
*学校の相談に対応する。
    学校を支えるため、地元の指定動物病院が日常的に学校の相談に対応する。
* 教師向けの飼育指導、
年に1,2回の定期学校訪問指導、または講習会を行う。
    動物との交流、飼育、衛生環境、管理など、獣医師の知識と技術で指導する。
    方法には定期学校訪問指導と、地域内の教師を一堂に集めての講習会による指導 があるが、現場での指導のほうが高い効果が得られる。    
*子供への語り掛け
      教師と獣医師がこの活動に慣れ、学校との信頼ができてから是非行いたい活動である。これをふれあい教室として授業で行うか、通常の飼育指導の一環として
     行うかは、学校の要望による。その目的、方法、時間と場所、機会などについては、お互いの都合を合わせて行う。

2、参考資料
「生命尊重の指導と学校飼育動物」教育開発研究所
     嶋野道弘、日置光久、永田繁雄、宮川八岐、などが執筆、鳩貝太郎、中川美穂子編集執筆
      なぜ日本で飼育が行われているか、など歴史も入った、理論と実際が書かれている。良い本

「学校飼育動物のすべて:子どもと、ゆとりある飼育を楽しむために」            ファームプレス 03‐336‐8601
  中川美穂子執筆監修:学校飼育動物の子どもに対する影響、意義から、飼育法、ふれあい方、 人獣共通感染症の予防、トラブル解消法、授業に動物飼育を反映させる体験学習の例、 自治体と地区獣医師会との連携など、殆どすべてを網羅している。

  執筆者:嶋野道弘視学官、横山章光精神科医、他校長、群馬県と八王子市の獣医師など9名

「動物通信」(第三版)、北多摩獣医師会編、FAX 0422‐56‐9086   20種類の動物についての学校での飼育法と注意点、エピソードを記載。
   中川美穂子他、北多摩獣医師会の獣医師が執筆、編集した。

 「ふれあい」 群馬県獣医師会、 FAX 027-363-1681
児童に動物とのふれあい法を指導するための児童向け指導書。内容が低学年、中学年、高学年の指導要領にしたがって編集されている。イラスト豊富 ふれあい教室用            

「ふれあい教室指導用マニュアル」、群馬県獣医師会、FAX 027-363-1681
  ふれあい教室を獣医師と教師が協力して行こなう実践方法を示している。

紙芝居:「動物の飼い方、ふれあいシリーズ」童心社 03-3357-4181
 チャボのお父さん、引っかきウサギ、みーちゃんとモルモット他6巻:中川美穂子監修脚本
   動物の感情を大事にして子どもと交流させる要点が書いてある。ふれあい教室用    

小冊子:「インコ」、「ニワトリ」、「アヒル」、「モルモット&ハムスター」、「ウサギ」 岐阜県獣医師会、FAX (058)275-1843 
      小学生向けのイラストいっぱいの飼育法解説書 
      
「アニファ別冊、」  スタジオ・エス出版03‐3269‐1335
    「ウサギ」、「ハムスター」、「インコ」、「モルモット」の各編
    夫々専門の獣医師が複数関わっている。小学校高学年から教師向け。動物病院でも有用。

「人と動物の関係学」山崎恵子訳、インターズー 0120‐80‐1906
  欧米で行われている「ペットが人に与える影響の研究」について歴史と実践、調査結果などを紹介している。

ホームページ「学校飼育動物を考えるページ」 管理者中川美穂子、
   学校飼育動物に関わる全国の情報の交換をしている。全国の連携傾向などの報告の他にマニュアルや、日小獣の講演会の情報などを掲載。掲示板には父兄や教師からの報告、質問がある。  
         キーワード:「学校飼育動物」