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獣医師広報板のキャラクター:ココロちゃんノミの予防
文章:プロキオン(獣医師)
初出:2003/04/06
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なにごとにおいても、予防は治療に勝ると思います。
蚤の予防が何の治療に勝るかと言えば、
1.吸血による直接的な掻痒(激しいかゆみ)の被害
2.ノミの唾液(異種タンパク質)が体内に入ることによって引き起こされるノミアレルギーによる皮膚炎
3.ノミが媒介する「犬条虫(瓜実条虫)」の感染
4.犬や猫の飼い主である人間へのノミ被害の拡散
ということになると思います。

動物の体に寄生していて私達の目に触れることができるのは、ノミ全体の寄生数のおよそ5%と言われています。
残りの95%は、飼育環境中に卵、幼虫、蛹(サナギ)や環境中と自由に行き来する成虫として存在しています。
これは、すでに飼育環境の中においてノミのライフサイクルが形成されてしまっているからです。
したがって、動物の体に寄生しているノミの駆除だけを念頭においているのでは、根絶はなかなか困難なのです。
95%のノミは、飼育環境である、畳み・絨毯・カーペット・ベッド・家具の下等に生息しています。

ノミはそもそも隠翅目の昆虫であり、世界で約2000種、日本に80種類生息するそうなのですが、その多くの種類は動物の巣に寄生して過ごすのであって、直接動物の体に寄生して吸血するのは、およそ10種類くらいなのです。
その中の代表的なものが、ネコノミ、イヌノミ、ヒトノミなのです。
これらのノミは、巣につくタイプのノミが1回吸血すると数日かけて血液を化するのに対して、1日に数回の吸血を行うという頻度の高さが目につきます。
そして吸血した血液のわずかな量だけを消化して自らの栄養とし、残りのほとんどの血液は幼虫の餌とするべく糞の形で排泄します。
ノミの卵や幼虫は、この大量の餌付きの環境が整備されているので、短期間のうち爆発的に増殖することができるのです。

ノミのライフサイクル
卵(2〜12日)→幼虫(9〜200日、3回の脱皮)→サナギ(7日〜1年)→成虫(1月)
成虫は、羽化直後から吸血を開始し、1週間くらいで産卵のピークに達して、その後2〜3週間同様のペースで産卵を継続します。
この頃の1日の平均産卵数は13個というデーターがありますが、少ないと思いますか?
それとも多いと思いますか?
あの体の大きさで、卵殻を有した卵をこれだけ産卵するというのは、かなり驚異的なことだと私は考えます。
エネルギー効率の最も良い餌(血液)を利用しているからに他なりません。

先に書きましたようにノミの幼虫は、成虫の糞を餌として成長します。
したがって、本来であれば繁殖シーズンの始まりは、サナギなのです。
サナギの繭(まゆ)で冬を越して、気温、湿度、振動、炭酸ガス濃度等の条件が整ったところで羽化して、手近にいる動物に寄生して、吸血と産卵を開始するのです。
けれども、近年家の密閉化と暖房のために、冬においてもノミ成虫の寄生を目にするようになってきています。
成虫が存在していれば、卵も幼虫も存在していくことが可能です。
ノミ予防の期間が年間を通して、長くなってきているのです。

ノミの駆除については、様々な薬品が出てきておりますので、こちらでは具体的な言及は避けますが、
1.ライフサイクルの中で効率的に作用すること
2.確実かつ速効性が期待できること
3.ノミの吸血行為を必要としないで作用すること
4.外出先からノミを拾ってこないで済むように持続性があること
5.飼育環境中のノミの存在も考慮されていること
というような点が選択のポイントになるのではないでしょうか。

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