獣医師広報板トップページ動物よくある相談メニュー我が家の犬が他所の犬に咬まれました、狂犬病の治療はできるのでしょうか?
獣医師広報板のキャラクター:ココロちゃん我が家の犬が他所の犬に咬まれました、狂犬病の治療はできるのでしょうか?
編集:プロキオン(獣医師)
文:プロキオン・ビリー・けりーずはうす
初出:2006/12/10
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質問1:狂犬病は人が感染した際は、発症する前にワクチンを複数回接種すれば治るとテレビで報道されていましたが、もし犬が感染したときも、発症する前にワクチンを接種すれば治るのですか?

回答:報道の仕方もありますが、まず誤解が1点あります。
狂犬病は治りません。
正しくは、発病する前に「暴露後接種」をすれば、発病しないで済むことがあるということになります。
(正しく何回も接種すれば、まず発病しませんが)
しかし、一旦発病したものは治りません。
ほぼ100%が「死」の転機をとります。
犬の場合は、残念ながら治療対象となりません。
理屈の上からは頻回の「暴露後接種」で免疫が成立する可能性もありますが、「いつ」「誰に」咬まれたかをあきらかにしている間に、その犬自身を新たな感染源として処分した方が確実で、飼い主さんも含めて人間に対して安全だからです。
これは、背景に生前診断が発病するまでにできないという背景があります。
発病している犬は100%死にますが、未発病であってもウイルスが体内に侵入した可能性があるのであれば、その犬をそのままにしておくことは防疫上は認めがたいことなのです。

質問2:感染してからどのくらいの期間が経つと、抗体検査が陽性となって狂犬病に感染したかどうか分かるようになるのですか?

回答:残念ながら自然感染であれば、抗体は陽性となりません。
これは狂犬病ウイルスがひじょうに神経親和性を有していることに原因があって、咬傷後一時的に傷の部位でウイルス増殖がありますが、それ以後は、血中から消えてしまって、神経組織内に逃げ込んでしまいます。
そのために免疫を担っている細胞は狂犬病ウイルスの侵入を認識したり、捕捉したりすることができないのです。
そのために、ウイルスに対する抗体が産生されないのです。
神経組織内のウイルスは、やがて脳に到達して、そこで増殖して神経組織を破壊するようになります。
この時に大脳皮質と呼ばれる部位が侵されるので、幻覚や幻聴というような症状が現れます。
これは大脳皮質が脳の興奮を抑制する方に働く部分であり、理性をつかさどるような働きがあるからです。
感情の抑制がきかなくなるという現象ですね。
ですから、犬であれば、興奮して凶暴になるというようなこととなります。
神経組織が破壊されて、ウイルスが再度血液中に出てきたときは、唾液にもウイルスが存在するようになっていて、他者への感染源となります。
この時期が、狂犬病の発病期であり、「興奮期」と呼ばれることになります。
つまり、発病する時には、すでに神経がやられてしまっているということになります。
成書では、「興奮期」の犬は「麻痺期」を経て2週間以内に「死」の転機をとると記載されていますが、通常のウイルスの場合は2週間程度の期間でウイルスに対する抗体が産生されるのですが、この疾病に関しては、ウイルス血症が認められる前に肝心要の脳がやられてしまっていて、感染後の自然獲得免疫が成立するための時間がないのです。
脳はやられてしまっている、抗体はできないということになりますので、狂犬病は、極めて悪性の病気であって、死ぬしかない病気ということになるのです。
それゆえ、とにかく人間の安全を最優先するというのが、「狂犬病予防法」の目的であって、犬のための法律ではありません。
その分、犬の飼育者に予防接種をわざわざ法律で義務づけて、「事前に」自分の犬は自分で守りなさいと言っているわけなのです。
野外株(街上毒とも言います)では、犬が死んでしまって、狂犬病抗体は産生されませんので、血液検査で抗体が検出される犬は、ワクチン株(固定毒とも言います)によって作り出された抗体ということになります。
現在は、海外渡航する犬は、その前に狂犬病抗体検査が必要となっていますが、実施してくれる検査機関は日本には1箇所しかありませんし、私が知る限りでは世界でも8箇所というように聞いています。
そのくらい狂犬病に関しては抗体検査ができませんし、「疾病診断としての抗体検査」には意味がないということになります。
疾病診断としては、抗原であるウイルスそのものの検出が用いられています。
また、暴露後接種というのは、日本では咬傷後、0・3・6・14・30・90日の6回接種となっています。
普通のワクチン接種間隔と異なって、短期間に集中しているのに気がつかれると思います。
この場合のワクチンは不活化ワクチンでして、血液中に意図的にウイルス血症の状態を作り出すことを目的としています。
神経の中に逃げ込まない不活化したウイルスで、ウイルス血症を作り出して抗体を産生し、しかも、抗体が届きにくいとされている神経組織の中にまで抗体に届いてもらうくらい大量につくる必要があるということなのです。
このように、狂犬病のウイルス特性と暴露後接種の意味を考えると、犬同士の咬傷事件の場合、咬んだ犬も咬まれた犬も、双方ともそのままにしておくわけにはいかないのです。
「狂犬病予防法」が「狂犬病予防員」を規定しているからには、ワクチン接種を実施している狂犬病予防員が、この法律に背くわけにはいかないでしょう。
けりーずはうす先生がご紹介くださっているところが、この法律が対処として定めているところです。
飼い主さんにできるのは、「事前に」ワクチン接種を済ませておくことだけなのではないでしょうか。

「狂犬病予防法における犬の取り扱い」
狂犬病予防法の(http://www.cablenet.ne.jp/~kubu/bestoj/kyoken.htm)中で、第3章 「狂犬病発生時の措置」届出義務)
第8条 狂犬病にかかった犬若しくは狂犬病にかかった疑のある犬又はこれらの犬にか まれた犬については、これを診断し、又はその死体を検案した獣医師は、厚生省令の定 めるところにより、直ちに、その犬の所在地を管轄する保健所長にその旨を届け出なければならない。但し、獣医師の診断又は検案を受けない場合においては、その犬の所有者がこれをしなければならない。
第9条 前条第1項の犬を診断した獣医師又はその所有者は、直ちに、その犬を隔離しなければならない。但し、人命に危険があって緊急やむをえないときは、殺すことをさまたげない。
2 予防員は、前項の隔離について必要な指示をすることができる。
(公示及びけい留命令等)
第10条 都道府県知事は、狂犬病(狂犬病の擬似症を含む。以下この章から第5章まで同じ。)が発生したと認めたときは、直ちに、その旨を公示し、区域及び期間を定めて、その区域内のすべての犬に口輪をかけ、又はこれをけい留することを命じなければならない。

としてあります。
つまり、狂犬病の疑いのある犬は、残念ながら治療をしないで、保健所に届け隔離をします。
どんなにかわいらしく、人を咬むようなことのないおとなしい小型犬であってもです。
付記:人間を咬んでしまって、2週間繋留施設において隔離観察が済んだ犬は、この繋留観察期間内に斃死しなかった場合は、「狂犬病に感染していなかった」と判断されます。
この場合は、繋留解除となる際に狂犬病ワクチンを接種して、解放されます。
ただし、これは日本が狂犬病清浄国であるという前提が成立している場合です。
野外に自然感染があると推測される事態となった場合は、この限りではありません。

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