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獣医師広報板のキャラクター:ココロちゃん冬眠という便利な言葉
文章:プロキオン(獣医師)
初出:2003/01/31
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この話をするには「冬眠」の定義が必要なのですが、残念ながら適切な定義が ありません。
強いて言えば、穴蔵にこもって姿を見せる事なく冬を過ごすことになってしまいそうです。
すなわち、クマのように秋のうちに体に栄養を貯えて、穴の中では飲まず食わずで一冬を越すタイプと、シマリスのように餌を穴の中の巣に貯えて、これを食料とするタイプです。
現在のところ、どちらも「冬眠」とされています。

では、自然界の中ではどちらが多数派だと思いますか?
爬虫類、両生類、そして昆虫の世界を覗いてみると、冬眠中に飲み食いをしない者が多数派なのです。
彼等の共通点としては、日常的には特定の巣穴をもたないところです。

つまり、シマリスのように特定の巣穴に食料を貯蔵し、これを食べて冬を過ごすという動物の場合は、寒暖の差が少ないところで寒冷な外気から遮断されてなおかつ、本来の1日の周期を代謝を下げて2〜4日くらいの周期で過ごすという方法をとります。
言葉としては、「冬ごもり」に近いかな?

ハムスターの所謂冬眠というのもこれに近いものですが、飼育下においては地下に充分な深さとスペースが確保できないことがあります。
このため日内における寒冷感作が大きくなりすぎるのです。
飼い主である人間が起きている間はよいのですが、寝てしまった後に急激に冷え込んでくるという欠点があるのです。

人間は冬眠をしない動物ですが、酔っぱらって道端で寝てしまった場合を想像して見て下さい。
外気が冷え込んで寒くなると人間は、寒さのために体が震えだして、眼が目覚めてて事なきをえます。
しかし、あまりに酔いが深くて目覚めることがなかったら、体温はどんどん下降して凍死という結果に繋がりかねません。
低体温状態に入っても、栄湯状態が良好で、脳もしっかりと低体温を認識してこれに対応する処置として筋肉を震えさせて熱を発生させることができるのであれば、これは問題なく眼を覚ましてくれることでしょう。
所謂ハムスターの冬眠というのも これに近い現象といえるかもしれません。
しかし、ハムスターの場合は、ほとんどの場合、年齢や体力・栄養状態、飼育環境から来ている「低体温症」が本態なのです。
体が小さいために急激な寒冷感作に遭遇すると一気に体温が下降してしまい危険な状態へと入ってしまいます。
そのために凍死という可能性が待ち受けていることになるのです。

ハムスターが冬眠するとう説も、ゴールデンハムスターの普及といっしょに流布されるようになった説ですが、実のところ自然界においてゴールデンハムスターが冬眠している場面に遭遇した者はおりません。
このハムスターがシリアの砂漠から採取されて、今全世界にいるゴールデンハムスターは皆このときのハムスターの子孫ということになっています。
つまり最初の捕獲以降、彼等の捕獲例がないし、野生状態における観察例もないのです。
飼育下において冬期の低気温時に眠ったまま動けなくなる状態を所謂「冬眠」と称したのです。
ゴールデンハムスターの場合は、比較的体力に恵まれており、気温が上昇するまで持ちこたえることができたので、ハムスターは冬眠する動物ということになってしまったわけです。
むろん、ゴールデンハムスターであっても条件次第では、低体温症によって死ぬこともあります。
ゴールデンハムスターだから冬眠しても大丈夫ということではありません。
体が小さく代謝率が高い動物は、失われる熱量よりも代謝率を低い状態にして日周期を長くとるようにしてできるだけ消耗を少なくして過ごすべくしているのです。
それでも、脳は最低限のエネルギーを消費せざるをえません。
冬眠している期間寿命が伸びるというような現象ではないのです。
生きるために消耗をできる限り少なくしようという結果なのです。

植物や昆虫の冬越しを見てみると、生命活動の原点である細胞守るべく、グリセリン類似物質を細胞内に貯えます。
これによって細胞障害の発生を抑制するようにしています。
動物でも凍結精液や凍結受精卵等もこれらに似た物質で寒冷障害から守る工夫があります。
よくSF小説に登場する「コールドスリープ」としての冬眠は、細胞レベルにおける生命活動を停止していないとならないように感じます。
植物や単細胞生物であれば、さほど困難ではないように思いますが、脳細胞における生命活動を停止させた状態というのは、生きていると解釈して良いのか…。
たしかに時間は止まっているとは思いますが。

話を元に戻しますと、ハムスターにおける所謂「冬眠」は、急激な寒冷感作によって「低体温症」に落ち入った状態であると言えます。
本来、健康で栄養状態等に問題のないハムスターであれば、自ら熱を発生させて体温を維持する事が可能です。
これができないから低体温になってしまうわけですから、由々しき事態と考えるべきなのです。

ある自然界のハムスターを紹介した番組があるのですが、この中ではキャンベルなのかジャンガリアンなのか、定かではないのですが、氷点下の夜の世界で活動している姿が紹介されていました。
この映像で彼等が冬眠しないということになったわけです。
自然界における野生のハムスター(ドワーフタイプ)には冬眠という習性はないが、冬眠に似た状態に落ち入ることがあるなったわけです。
その状態を説明するのに「冬眠」あるいは「疑似冬眠」ということばがまことにしっくりとしていたために、これが流布してしまったのです。
しかし、本態は低体温症なのです。
低体温に入ってからの経過時間とその時に残されている体力が、ハムスターの運命を左右しているのです。
飼い主は、このことを忘れてはならないでしょう。

では、このような状態に陥ったハムスターには、どのように対処したら良いのでしょうか。
低体温というのは、心肺機能を始めとして体の生理機能が著しく低下してしまっている状態ですから、まず、エネルギーとなるものを補給してあげる必要があります。
この場合、カロリー源となるものを補給してあげると良いのですがハムスターは嘔吐しにくい動物なので、強引な給餌は誤嚥の原因となり、かえって危険を伴います。
蜂蜜や砂糖水を頬袋の内側に塗り込む程度に停めて下さい。
実際には、動物病院で非経口的に投与してもらうのが望ましい処置といえます。
それ以外は、できる限り、自力採食に努めて下さい。
そして、その後に保温処置があります。
何故、エネルギー補給の後になるのかというと、いきなり保温をかけた場合、ハムスターの体に残されているエネルギーが、体温上昇に伴う心拍数の増加に追い付かなくなってしまう危険があるからです。
むろん、体力に余力のある個体であれば、これは問題にはなりませんので、そのような場合は保温が先になってもかまいません。
ただ、いざ、というときになってその見きわめをしている余裕はありませんから、頭の中には順序として整理しておく必要があるということなのです。
また、同じ理由から急激に暖めるという処置も好ましからぬことと理解していただけると思います。
低い温度から時間をかけてゆっくりと保温していくのがハムスターにとって負担とならない処置といえます。
そして、ハムスターの状態が改善したら、何故、このような状態に陥ったかの原因を探ってみて、その改善に努める必要があります。

「冬眠」あるいは「疑似冬眠」という言葉が、あまりにツボにはまった表現であったためにハムスターの体に何が起きているのかを覆い隠してしまった感があります。
便利な言葉ではありますが、彼等にとっては危険な誤解を招く言葉ですね。

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