獣医師広報板トップページ動物よくある相談メニュー冬眠という便利な言葉
獣医師広報板のキャラクター:ココロちゃん冬眠という便利な言葉
文章:プロキオン(獣医師)
初出:2003/01/31
◆「動物よくある相談」利用についての注意事項
★情報は自己責任でご利用ください。
★記載されている記事は獣医師広報板の掲示板に投稿されたものが中心で、獣医師広報板の
 見解を代表するものではありません。
掲示板過去発言検索システムも試してみてください。
★飼育方法の質問はペット動物フォーラムの各動物種別掲示板をご利用ください。
★特に獣医師のコメントが欲しい質問は、意見交換掲示板をご利用ください。
◆こどもあんぜんサイト宣言◆
こどもあんぜんサイト宣言

◆過去発言検索システム◆
過去発言検索システム


この話をするには「冬眠」の定義が必要なのですが、残念ながら適切な定義が ありません。
強いて言えば、穴蔵にこもって姿を見せる事なく冬を過ごすことになってしまいそうです。
すなわち、クマのように秋のうちに体に栄養を貯えて、穴の中では飲まず食わずで一冬を越すタイプと、シマリスのように餌を穴の中の巣に貯えて、これを食料とするタイプです。
現在のところ、どちらも「冬眠」とされています。

では、自然界の中ではどちらが多数派だと思いますか?
爬虫類、両生類、そして昆虫の世界を覗いてみると、冬眠中に飲み食いをしない者が多数派なのです。
彼等の共通点としては、日常的には特定の巣穴をもたないところです。

つまり、シマリスのように特定の巣穴に食料を貯蔵し、これを食べて冬を過ごすという動物の場合は、寒暖の差が少ないところで寒冷な外気から遮断されてなおかつ、本来の1日の周期を代謝を下げて2〜4日くらいの周期で過ごすという方法をとります。
言葉としては、「冬ごもり」に近いかな?

ハムスターの所謂冬眠というのもこれに近いものですが、飼育下においては地下に充分な深さとスペースが確保できないことがあります。
このため日内における寒冷感作が大きくなりすぎるのです。
飼い主である人間が起きている間はよいのですが、寝てしまった後に急激に冷え込んでくるという欠点があるのです。

人間は冬眠をしない動物ですが、酔っぱらって道端で寝てしまった場合を想像して見て下さい。
外気が冷え込んで寒くなると人間は、寒さのために体が震えだして、眼が目覚めてて事なきをえます。
しかし、あまりに酔いが深くて目覚めることがなかったら、体温はどんどん下降して凍死という結果に繋がりかねません。
低体温状態に入っても、栄湯状態が良好で、脳もしっかりと低体温を認識してこれに対応する処置として筋肉を震えさせて熱を発生させることができるのであれば、これは問題なく眼を覚ましてくれることでしょう。
所謂ハムスターの冬眠というのも これに近い現象といえるかもしれません。
しかし、ハムスターの場合は、ほとんどの場合、年齢や体力・栄養状態、飼育環境から来ている「低体温症」が本態なのです。
体が小さいために急激な寒冷感作に遭遇すると一気に体温が下降してしまい危険な状態へと入ってしまいます。
そのために凍死という可能性が待ち受けていることになるのです。

ハムスターが冬眠するとう説も、ゴールデンハムスターの普及といっしょに流布されるようになった説ですが、実のところ自然界においてゴールデンハムスターが冬眠している場面に遭遇した者はおりません。
このハムスターがシリアの砂漠から採取されて、今全世界にいるゴールデンハムスターは皆このときのハムスターの子孫ということになっています。
つまり最初の捕獲以降、彼等の捕獲例がないし、野生状態における観察例もないのです。
飼育下において冬期の低気温時に眠ったまま動けなくなる状態を所謂「冬眠」と称したのです。
ゴールデンハムスターの場合は、比較的体力に恵まれており、気温が上昇するまで持ちこたえることができたので、ハムスターは冬眠する動物ということになってしまったわけです。
むろん、ゴールデンハムスターであっても条件次第では、低体温症によって死ぬこともあります。
ゴールデンハムスターだから冬眠しても大丈夫ということではありません。
体が小さく代謝率が高い動物は、失われる熱量よりも代謝率を低い状態にして日周期を長くとるようにしてできるだけ消耗を少なくして過ごすべくしているのです。
それでも、脳は最低限のエネルギーを消費せざるをえません。
冬眠している期間寿命が伸びるというような現象ではないのです。
生きるために消耗をできる限り少なくしようという結果なのです。

植物や昆虫の冬越しを見てみると、生命活動の原点である細胞守るべく、グリセリン類似物質を細胞内に貯えます。
これによって細胞障害の発生を抑制するようにしています。
動物でも凍結精液や凍結受精卵等もこれらに似た物質で寒冷障害から守る工夫があります。
よくSF小説に登場する「コールドスリープ」としての冬眠は、細胞レベルにおける生命活動を停止していないとならないように感じます。
植物や単細胞生物であれば、さほど困難ではないように思いますが、脳細胞における生命活動を停止させた状態というのは、生きていると解釈して良いのか…。
たしかに時間は止まっているとは思いますが。

話を元に戻しますと、ハムスターにおける所謂「冬眠」は、急激な寒冷感作によって「低体温症」に落ち入った状態であると言えます。
本来、健康で栄養状態等に問題のないハムスターであれば、自ら熱を発生させて体温を維持する事が可能です。
これができないから低体温になってしまうわけですから、由々しき事態と考えるべきなのです。

ある自然界のハムスターを紹介した番組があるのですが、この中ではキャンベルなのかジャンガリアンなのか、定かではないのですが、氷点下の夜の世界で活動している姿が紹介されていました。
この映像で彼等が冬眠しないということになったわけです。
自然界における野生のハムスター(ドワーフタイプ)には冬眠という習性はないが、冬眠に似た状態に落ち入ることがあるなったわけです。
その状態を説明するのに「冬眠」あるいは「疑似冬眠」ということばがまことにしっくりとしていたために、これが流布してしまったのです。
しかし、本態は低体温症なのです。
低体温に入ってからの経過時間とその時に残されている体力が、ハムスターの運命を左右しているのです。
飼い主は、このことを忘れてはならないでしょう。

では、このような状態に陥ったハムスターには、どのように対処したら良いのでしょうか。
低体温というのは、心肺機能を始めとして体の生理機能が著しく低下してしまっている状態ですから、まず、エネルギーとなるものを補給してあげる必要があります。
この場合、カロリー源となるものを補給してあげると良いのですがハムスターは嘔吐しにくい動物なので、強引な給餌は誤嚥の原因となり、かえって危険を伴います。
蜂蜜や砂糖水を頬袋の内側に塗り込む程度に停めて下さい。
実際には、動物病院で非経口的に投与してもらうのが望ましい処置といえます。
それ以外は、できる限り、自力採食に努めて下さい。
そして、その後に保温処置があります。
何故、エネルギー補給の後になるのかというと、いきなり保温をかけた場合、ハムスターの体に残されているエネルギーが、体温上昇に伴う心拍数の増加に追い付かなくなってしまう危険があるからです。
むろん、体力に余力のある個体であれば、これは問題にはなりませんので、そのような場合は保温が先になってもかまいません。
ただ、いざ、というときになってその見きわめをしている余裕はありませんから、頭の中には順序として整理しておく必要があるということなのです。
また、同じ理由から急激に暖めるという処置も好ましからぬことと理解していただけると思います。
低い温度から時間をかけてゆっくりと保温していくのがハムスターにとって負担とならない処置といえます。
そして、ハムスターの状態が改善したら、何故、このような状態に陥ったかの原因を探ってみて、その改善に努める必要があります。

「冬眠」あるいは「疑似冬眠」という言葉が、あまりにツボにはまった表現であったためにハムスターの体に何が起きているのかを覆い隠してしまった感があります。
便利な言葉ではありますが、彼等にとっては危険な誤解を招く言葉ですね。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペット健康館 - 犬猫用の健康サプリメントの販売、ワンダードリーム様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:とだ動物病院様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。



からたちの木にいる揚羽の幼虫
画像募集中!!(無料)
画像集

◆獣医師広報板キャンペーン

◆プレゼントコーナー1
ペット用品通販のPeppy社よりすばらしいプレゼントです。 8月は「にゃんこ爪とぎタワー(ピンク)」です。
新発想!隠れ家付きのダンボール製爪とぎ☆
あるときは爪とぎ。あるときは秘密基地に。
寝起きにすぐバリバリ出来る1台二役の優れもの。
安心の日本製で細部までこだわりぎっしり!
2名様にプレゼントします。
希望者はここをクリック

◆Twitter
獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

◆FaceBook
獣医師広報板の最新更新情報をFaceBook(主宰者川村幸治のページ)でお知らせしております。

◆獣医師広報板からのお願い
獣医師広報板をご利用、本当にありがとうございます。
獣医師広報板は個人サイトですが、その運営はボランティアスタッフが担い、運営資金はサポーターの応援に頼っています。
獣医師広報板は多額の累積赤字を計上しております。
サポーターは企業でも個人でも結構です。
ぜひ、獣医師広報板をサポーターとして応援ください。

◆動物由来感染症関連リンク(外部リンク)

◆電子図書
電子図書「"犬と麻薬のはなし−麻薬探知犬の活躍」は、2016年3月4日より第三版になっております。
新しいエピソードも追加され、データーも更新されています。
第一版、第二版を読まれた方も、是非第三版をお読みください。
犬と麻薬のはなし−麻薬探知犬の活躍−第三版2016/03/04公開

◆獣医師広報板の主張
★ペットを一生責任持って飼えるか、飼う前によく考えましょう。
終生飼育啓蒙ポスター(pdfファイル)
こども安全サイト宣言
迷子犬を飼い主の元に返すために!
薬物流通お断り宣言
★2013年5月26日更新:犬ブルセラ病撲滅を目指して

◆PC版コンテンツ利用数ベスト10(7月期)
  1. 迷子動物、保護動物掲示板(35,143)
  2. 動物よくある相談(30,318)
  3. 飼い主募集セミナイベント(29,743)
  4. 迷子動物・都道府県別確認先一覧(14,639)
  5. 犬のカロリー計算(13,873)
  6. 動物関連・求人求職掲示板(12,067)
  7. 猫のカロリー計算(11,499)
  8. 犬・猫と人間の年齢換算表(9,315)
  9. 動物園・水族館(フリーク)セミナイベント(6,077)
  10. 動物の愛護セミナイベント(3,185)
コンテンツ別アクセス数

◆新着お薦め本

お薦め本の登録依頼はフォームでお願いします。(登録無料)

◆新着リンク

リンク登録依頼はフォームでお願いします。(登録無料)
獣医師広報板はトップページからの相互リンクを歓迎します。
ブログや携帯サイトの登録依頼も歓迎です。

◆新着画像

新潟市水族館マリンピア日本海
カマイルカ。

画像の登録依頼はメールでお願いします。(登録無料)

◆プロフェッショナルセミナー・イベント

セミナー・イベント情報はメールにて広報内容を送ってください。(掲載無料)

◆一般市民向けの動物に関するセミナー・イベント
★毎週土曜日午後1時〜4時
ペットロスホットライン
ペットロスホットラインは、今のお気持ちをお聴きする電話です。
悲嘆という経験とどう折り合いをつけて人生を生きていくかは、自分自身にしか決められないことですし、皆さんお一人お一人がその力を持っていると私たちは信じています。
★東京・大阪
★WEB講座
★栃木県那須郡
★〜8月27日:東京都台東区,〜8月28日:新潟県新潟市
★〜8月31日:山口県周南市
★〜9月3日:京都府京都市
★〜9月20日
★〜10月8日:京都府京都市
★8月17日:東京
★8月18日:東京都世田谷区,8月19日:東京都日野市
★8月19日:東京都文京区
★8月19日,20日:大阪府大阪市
★8月20日:兵庫,8月26日:兵庫,8月27日:大阪,9月7日:千葉
★8月22日:東京都文京区
★8月25日:北海道札幌市
★8月25日-27日:神奈川県相模原市
★8月27日:愛知県刈谷市
★8月29日:東京都港区
★9月1日:東京都文京区
★9月16日-9月24日:京都府京都市
★9月18日:東京都世田谷区
★9月23日,24日:東京都台東区
★9月24日:東京都豊島区
★10月7日・8日:東京都新宿区
★10月28日-29日:東京都文京区
★11月1日〜:アメリカ

セミナー・イベント情報はメールにて広報内容を送ってください。(掲載無料)

◆動物の譲渡会情報
★毎日:愛知県名古屋市西区
★毎日:埼玉県上尾市
★毎日:神奈川県藤沢市
★毎日:広島県広島市
★譲渡前講習会問い合わせ:兵庫県姫路市
★8月19日:神奈川県茅ヶ崎市
★8月19日:大阪府高槻市
★8月19日:大阪府堺市
★8月19日:大阪府枚方市
★8月19日:愛知県名古屋市
★8月19日:東京都青梅市
★8月19日,20日:東京都新宿区
★8月19日,20日:神奈川県茅ヶ崎市,8月20日:東京都渋谷区
★8月20日:東京都渋谷区
★8月20日:三重県三重郡
★8月20日:東京都東村山市
★8月20日:大阪府大阪市
★8月20日:茨城県土浦市
★8月20日:東京都江戸川区
★8月20日:東京都中央区
★8月20日:岡山県倉敷市
★8月20日:山梨県甲府市
★8月20日:愛知県名古屋市
★8月20日:熊本県八代市
★8月20日:大阪府大阪市
★8月20日:東京都葛飾区
★8月20日:山梨県笛吹市
★8月20日:東京都葛飾区
★8月20日:栃木県那須塩原市
★8月20日:岡山県岡山市
★8月23日,30日:沖縄県南城市
★8月26日:東京都渋谷区
★8月27日:神奈川県横浜市
★8月27日:神奈川県川崎市
★8月27日:大阪府堺市
★8月27日:東京都葛飾区
★8月27日:東京都清瀬市
★8月27日:東京都中央区
★8月27日:神奈川県横浜市
★8月27日:東京都中野区
★8月27日:群馬県高崎市
★8月27日:千葉県流山市
★9月2日:茨城県笠間市
★9月2日:茨城県つくば市
★9月2日,3日:北海道上富良野町
★9月3日:東京都板橋区
★9月3日:千葉県市川市
★9月3日:東京都港区
★9月3日:兵庫県神戸市
★9月3日:東京都清瀬市
★9月9日:福岡県北九州市
★9月10日:千葉県船橋市
★9月10日:茨城県つくば市
★9月10日:大阪府大阪市
★9月10日:東京都大田区
★9月10日:埼玉県新座市
★9月10日:東京都町田市
★9月17日:東京都練馬区
★9月23日,24日:東京都世田谷区
★9月24日:千葉県富里市
★9月24日:東京都世田谷区

譲渡会情報はメールにて広報内容を送ってください。(掲載無料)
動物譲渡の表現について

◆獣医師広報板メニュー
◆モバイル◆
獣医師広報板
i-mode,au,soft-bank携帯対応獣医師広報板2D-code
docomo,au,soft-bank
スマートフォン対応
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンク広告募集サポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2017 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。