獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199903-94

Fungal 感染症の治療法(フィリピンにおいて)に関する質問
投稿日 1999年3月21日(日)01時16分 土田 毅

小生、留学のため現在フィリピン共和国に在住しております。4年程前から雌のラブラド
ール(黒)を飼っております。

毎年今の時期、つまり当地の酷暑期の訪れとともに、真菌の皮膚感染(こちらの獣医によ
るとFungal infectionとのことです)がおきます。耳たぶ或いは臀部の脱毛から始まり、
腹部及び胸部を中心に広がっていきます。発症初期はそれほどでもないのですが、脱毛が
広がっていくとともに、痒みが起きるのかひっきりなしに引っ掻くので、傷口が感染する
ことも多々あります。当地の動物病院ではあまり設備、特に検査の設備が整ったところが
あまりないので、獣医も検査の結果で判断するというよりは「見立て」で判断することが
多いのですが素人の判断ですが比較的設備の整っていると思われる、小生の留学している
国立フィリピン大学の獣医学部付属動物病院にて診療を受けることになります。過去3年
とも、皮膚及び毛の標本を取り検査(どういう検査方法なのかは不明ですが、ガラス・プ
レートに乗せているところをみると顕微鏡での検査かと思われます。因みに約15分程で
結果が出ます)した結果、Fungal(真菌と訳してもよろしいのでしょうか?)とのこと。
この検査結果に基づいて、Ketoconzoleというシャンプー及びビタミンEカプセルを処方
されます。因みに当地では動物用の薬というのは特に見当たりません。何れもヒト用の薬
を処方され、ヒト用の薬局で購入することになります。過去のケースでは、これらの薬を
約1か月使用して症状が治まり、脱毛部分も新しい毛が生えてきています(治ったのかど
うかについては、フォローアップをしていないので分かりません)。

さて、今年も例年と同じような症状が出てきたので上記の動物病院にて昨日診療してもら
いました。ただ小生の観察した限りでは、必ずといってよいほど耳たぶ及び臀部の円形脱
毛から始まる例年とは少し違い、臀部及び胸部の広範囲な(つまり円形脱毛のように明確
な境界を持った脱毛というのとは違う)脱毛及び引っ掻き傷から始まりました。従いまし
て、今年はまさか真菌ではなく他の病気であろうと思った程です。皮膚と毛の標本を取っ
て検査をするとともに血液の検査もしてもらいました(何でも、皮膚アレルギーの検査の
ためだそうです)。なお皮膚と毛の標本の検査は、fungal及びmange(かいせんでしょう
か?)の両方の検査をするとのことでした(検査方法は分かりません)。やはり20分程
たって結果が出、fungalによる感染とのこと。さらに血液検査の結果、WBCが少し増加し
ているとのこと(理由は引っ掻き傷の感染だろうということでした)。

ここからが今回の質問に関係するのですが、今回の場合は「systematicなtreatment」
をするとのことで、前回のようにシャンプーは処方されずに以下の薬を処方されました。

1. Griseofulvin 500mg粒
脂肪或いは植物油とともに1日3回、約4〜6週間内服
2. Vitamin E & Selenium粒
1日1粒服用
3. Oxytetracycline 250mgカプセル
1日2回、1週間内服

そこで質問なのですが、上記、特にGriseofulvin 500mg の内服は効果的な治療法なの
でしょうか(これもヒト用の内服薬ですよね?)。また友人の皮膚科医(ヒトの)に聞い
たところ、この薬をヒトに投与する時には1日750mg程、爪の感染時で1000mg程の投
与だということを聞きましたが、犬に対する場合は、1日1500mgの投与で問題はないの
でしょうか。因みに小生の犬の体重は約7.1ポンドです。ヒトに対するよりも高濃度の投
与で問題はないのか心配しております。

長々と説明させていただきましたが、当地での事情を素人の小生が理解し得た限りを説明
させていただきました。またこの場にはあまりそぐわない質問であることも承知しており
ますが、当地で信頼して気軽に相談できる獣医もいないので、こうして質問させていただ
きました。

どうかご教示のほど宜しくお願いいたします。

土田 毅
マニラより

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