獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199908-223

フィラリアの予防について
投稿日 1999年8月19日(木)18時26分 播谷久美子

こんにちは 獣医師の播谷です。
 リキ先生の意見に反するようですが 私は 現在 国内で犬用に認可されているフィラリア予防薬を 正しい期間 正しい量を まちがえなく (のませたつもりで あとではきだしたりせずに)きちんきちんと服用した場合 フィラリア症はほぼ100%予防できると考えています。
 リキ先生のおっしゃる 服用する期間がみじかい もしくは適切でない うっかりのませわすれる ちゃんと飲んでない 体重に合ってない などは いずれも予防していたことにはなりません。
 予防薬といっても フィラリアの薬は体内にいる感染仔虫を殺す薬で ワクチンではありません。
 生物学的製剤であるワクチンの場合は 接種された個体の免疫応答能力によって どうしても抗体価のあがりのわるい個体がいるのは理解できますし 野外試験においても抗体上昇率90数%で認可されると思いますが フィラリア予防薬は 感染仔虫を殺すことによって結果的にフィラリア成虫が肺動脈に寄生するのを防ぐ薬ですから フィラリア側に耐性ができないかぎり きちんと効いてくれなくてはこまります。
 とはいっても たしかに のませたつもりののませわすれ 最後までのませるのを忘れた 餌にまぜたらあとで薬だけだした 等々このようなことは非常に多いのも事実です。
 そこで獣医師は毎年毎年 くどくどと しつこく 口を酸っぱくしながら指示どうりの期間 忘れずに 確実に服用させるように 飼い主にお願いするのです。
 そして前の年 きちんと予防できていたか否かを確認する意味もあって その年の服用開始時に血液検査を実施します。(血液検査の本来の目的は 感染していてミクロフィラリアが血中にいた場合 いきなり予防薬を服用すると副作用がでることがあるので おこなうのです。)
 さちこさんの愛犬の場合 今年のませるのが遅かったから 検査にひっかかったのではありません。昨年 もしくはそれ以前の予防に不適切なことがあったので感染したと思います。

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