獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200002-184

mikekoさん>
投稿日 2000年2月19日(土)01時50分 楓

はじめまして。13匹の猫に飼われている楓です(笑)長文レス、ごめんなさい。

えっと、まず、質問なのですが。。。母猫は何歳ですか?初めての出産かな?お父さん猫はご自分の家にいる子ですか?もしよろしければ教えてくださいね。

1.どんなに健康な母猫であっても出産に危険は付き物です。あなたが取った処置は正しかったと思いますよ。無事に生まれることができなかった子猫はかわいそうだけど、運命だと思うしか・・・。無事に生まれない場合の原因はそれこそ色々あります。内蔵的に奇形があったり、出産が長引くことで酸欠になったり・・・。自分を責めないで、母猫も初めての出産でどうしたらよいのかわからない場合もよくあることです。私事ですが、中学の時に初めて飼い猫が出産しましたが、その母猫は最初の子猫がでてくる瞬間の痛みに驚いて、産箱から飛び出し、へそのついた子猫を引きずりながら部屋中をパニックになって走り回りました。。。いくら猫は安産、といっても、やっぱりみんなが上手なお産をできるわけではありません。それと猫の逆子は非常によくあることです。私の経験では半数近くが逆子でした。

2.人間の赤ちゃんでもそうですが出産後体重が減るのは別に異常ではありません。それと子猫が吸っている乳首からは母乳がで続けますが、子猫が吸わない乳首からは母乳がでなくなるのも普通のことです。3日目に死んでしまった子猫は、もしかしたら母乳が足りなかったのかも知れませんが、それ以外にも生後1週間以内で死亡する場合は、子猫の体の中できちんと生き続けることができない何かがあったのかも知れません。最初に質問した、母猫の年齢は?という意味は、あまり早い時期のお産であると、危険な場合が多いからです。。
ひとつ気になるのは子猫がピーピー鳴いていた、ということ。もちろん元気な証拠でもありますが、母乳が足りている場合は、あまり鳴かないでよく眠るものです。だからやっぱりオッパイが足りないのかも知れませんね。
体重の増え方は千差万別です。オシッコをさせてから必ず計ってくださいね。その日5gしか増えなくても次の日には20g増えることもあるし。。。でもとにかく増えていれば一応安心ですよ。

3.どんなほ乳瓶を使っていますか?最初はなるべく吸い口の小さなもののほうがいいですよ。1回に飲む量が少なければ、大変だけど回数を増やしてあげてください。あまり無理に口に押し込まないで、少し引き気味にした方がよく飲むように思います。ほ乳瓶からのミルクの出はどうですか?出過ぎても出にくくても飲みにくいものです。吸う力の弱い子は出やすい方がいいけれど。。。でもむせてしまったら危険ですし。。。難しいです。あまり吸えない子は、スポイトなどで少しずつ口に流し込んでもいいですが、気管に入らないように注意してくださいね。気管に入って肺炎を起こすと大変です。
一日のミルクの量は与えているミルクの説明書に子猫の体重によって書いてあると思うので参考にしてください。あまり熱いミルクはお奨めしませんが・・・湯煎をしながらミルクの温度が下がらないように注意してあげてください。

4.お産は非常なストレスです。お母さん猫が子猫の育児に専念するタイミングを逃してしまったのかも知れませんね。神経質な性格の猫の場合、人間がかまうタイミングがあまり多すぎると、育児が上手にできなくなってしまう場合があります。子猫を移動させようとするのは自然の行動です。野生の動物はお産の血の臭いのある場所に子供置いておくことの危険を本能で知っています。母猫が子猫を移動しようとしたら、一度好きにさせてその後、母猫が子猫を移動させた場所に新しい育児ベッドを用意してあげた方がいいかも知れません。
母猫が鳴き続ける原因として考えられるのは、まだ母猫が母猫になり切れていないのでは?ということ。飼い主さんに甘えたくて、今まで自分が一番かまってもらえたのだから、、、という気分で、子猫に戻ってしまったような感覚ではないでしょうか?今も十分に母猫に対して愛情を注いでいらっしゃると思いますが、今一度、おまえが一番大事な猫なんだよ、ともっとかまってあげてください。それから子猫の面倒をみるときも、母猫を参加させてあげてください。子猫にほ乳した後、子猫のお尻を母猫の口元に持っていって、自分でお尻を舐めさせるとか。。。
母猫が子猫のそばを離れる時間が長いようでしたら、子猫の保温に注意してあげてください。体温が下がるとそれだけで子猫は危険です。でももし今何か暖房器具を用いていて、それで母猫が子猫のそばを離れるのであれば、暑すぎる可能性もあります。ケージの中の半分程度を暖めて、半分は暖房器具のない状態にしてやることが望ましいです。

色々大変だと思いますが、今後も育児放棄するようなら完全に離してあなたの手で育てることも考えないといけないかも知れませんね。
とにかく頑張ってください。しばらくは寝不足ですね。。。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。