獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200003-329

弊害
投稿日 2000年3月30日(木)01時22分 はたの

御読みのみなさま、チーママ様、長文でご迷惑おかけしました。
ただ、問題点や論理を細かく追う、とい点では仕方ない部分もあった、と自己弁護しつつ、
みなさまのお役に少しでも立てたことを願うばかりです。

 弊害について短く。
 suzuka様が書いておられますが・・・、
最終目的は「医療の向上」であります。「悪質な医師の排除」は必要ですが、
目的を達するための方法の一部に過ぎません。「悪質な医師の排除」を重視するあまり、
「技術は平均的だが良心的な医師」や、「技術もモラルも高い医師」を排除してはまずいわけです。
 仮に何らかの抑制が働いて「排除」までしないですんでも、医療過誤でいつ訴えられるかもしれない、
不安を過度に(適度な不安は緊張感維持に必須ですが)持つようになれば、
その予防策に大きなエネルギーを割く必要が生じ、肝腎の治療に割けるエネルギーが
減るでしょう。

実際面で言えば、「人が人を裁く」のは大変難しいことです。獣医療過誤のみならず、
いろいろな分野の「被害者」が、勝訴した場合でさえ、「納得」はできないものです。
明らかな制度疲労や検察・警察の怠慢は問題ですが、基本的には、「被害者が納得できない」
ことは、社会システムとしての裁判が「私刑=リンチ」にならないようにするための必要悪なのです。
「犯罪者が無罪放免されるほうが、無実の人が冤罪で裁かれるよりマシ」というのが
近代法の大原則のひとつです。
獣医師の(に限らず職能)団体や、市民団体には、こうした高度な中立性は持てないので、「管理を強める」と、
得てして「魔女狩り的行き過ぎ」になります。
被害者が納得しないぐらい、にとどめておかないと危険なのです。
「行き過ぎ」と「野放し」の間のどこでバランスを保てば、もっともよく全体の利益となるか、
というのはおそらく永遠の問題で、常に考え続ける必要があります。
 交通事故等でペットを失った場合も同様でしょう。個人的には、他者の例でも厳罰を望む「感情」を
持ちますが、冷静に考えると、それを望むべきではない、と思うのです。

 

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