獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200008-134

続ツバメ
投稿日 2000年8月11日(金)04時36分 はたの

かえる様
ご判断を尊重いたします。
私自身はツバメを長期飼育したこともありませんし、その成功例を聞いたこともないうえ、獣医師でもありませんので、全般的なケアの注意点のみになりますが。
運動不足からくる代謝の異常が一番心配です。ことに心配され、多少の対策ができるのは足のケアだろうと思われます。本来しょっちゅう飛ぶ鳥なのが飛べないと、足に負担がかかりすぎ、細菌に感染する、というわけです。鳥がいつもいる場所、とまる場所の工夫が可能です。寝そべるなら柔らかい場所を作ってやります。海鳥などではハンモックが使われますがツバメならクッション等でよいと思われます。寝そべり易く仕向け、同時に、胸骨の峰に床擦れができるのを防ぎます。止まる場所は、硬すぎず柔らかすぎすが必要なので、工夫していい素材を見つけるしかないと思います。硬すぎればすりむけやすく、柔らかすぎると刺激が不足して古い皮膚が落ちないということです。非常に柔らかいバルサのような木やコルク等から試みられてはいかがでしょうか。何組か用意して順番に消毒し、清潔を保ってください。熱湯煮沸、日光、消毒薬をうまく使って。足の皮膚の新陳代謝を高める工夫も可能です。動物専用薬は海外にはあるのを確認していますが、国内では私は見つけられておりません。ヒルドイド軟膏(低刺激性タイプ)、ウナコーワなどの尿素を配合した軟膏、ビタミンA前駆体配合の軟膏(市販は確認しておりません。ビタミンA軟膏でも多少は効果アリかもしれません)等が考えられます。ただ、これらは、かかりつけの獣医師に相談した上で試みているだけで、確立した方法ではないこと、ご承知おきください。使用した感じとしては無意味ではないと思いますが。餌に混ぜる総合栄養補助剤も控えめに使われることをお勧めします。特にミルワームは栄養バランスがよくありません。餌昆虫の詳細については爬虫類関連の雑誌やサイトが役立ちます。もし足の裏に赤味が見られたり、かさぶた、魚の目状のものができたり、腫れたりしたら、のんびり経過を見ないですぐ受診してください。適切な薬を頂けるでしょう。ただ、乳液を薦められたら、ご相談なさってみてください。足の裏に塗るためには押さえ付ける必要が生じたりします。ヒトの口内炎用のケナログをベースに調合したものが塗り易さや付着力の強さからはお勧めです。あとは薬の中身と塗り易さのバランスをどうとるか、獣医師の判断でしょう。片翼でうまくバランスが取れず、片足にのみ負担がかかっているようなら、残っている翼の羽を切るのも一案です。羽は毛のようなもので、抜いてはだめですが、伸びきったものを切るぶんには痛みも出血もありません。もしおしりが汚れるようなら総排泄孔まわりも羽も、つっかえて転んだりするなら尾羽も、カットしてしまいましょう。事実は飛べなくても飛びたがることはあります。落下事故防止対策をなさってください。
悲観的な私の見通しが外れることを祈っております。

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