獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200010-237

犬の白内障
投稿日 2000年10月20日(金)11時47分 プロキオン

田口先生、ごぶさたしております。

私も白内障の手術は手掛けていないのですが、技術や設備的に対応できない
ので。それに私の先生が「メニワン」の開発をされた関係上、どうしてもの
際はそちらへという考えでいるものですから。

したがって、私も手術の詳細について述べる立場にないのですが、私が教え
られたのは、「現在進行中の白内障について手術を実施しても、予後が悪い」
ということなのです。

確かに犬の水晶体前嚢は人間のものより相当に厚く、かつ固いために切開が
困難なことが多いと思います。また、病院に来院する際には成熟期以降にな
っている例も普通だと思います。
ただ、やはり相手は犬ですから、このような状況にあるというは避けようが
ないことだと考えるのです。術前のコントロールや術後の管理が非常に大切
であるという実感が本当にありました。私の先生はよく白い杖を持った犬に
追い掛けられる夢を見たという話をされていましたが、やはり、簡単に実施
できるわけではないので、(当時は眼内レンズも輸入していた)少しでも成
功率の高い症例を適応とするべきだと私は考えます。

意欲的な獣医師がより積極的に適応を広げていくことは問題ないと思います
よ。事前にそれなりの説明は必要だと考えますが、基本的には獣医師の裁量
の範囲のことのはずです。

今回の中嶋さんのお話では、本当に若年性白内障だとしたら、それなりの術
前術後の管理はどうしていたのか、症状のステージや安定化はどのようであ
ったのか他に疾病要因がなかったのか等知りたい点もあります。

しかし、それらを全て考慮した上での実施であれば、結果は別として、門外
漢の私としては評価します。そういう配慮がなかったのであれば、短慮であ
ったかもしれません。
手術された先生の人間性を知らない者には判断しようがありません。

手術はもとより成功を目指して実施されるものであり、100%の保証のも
とにあるわけではない以上は少しでも成功率をあげる努力や工夫はあってし
かるべきです。それが水晶体嚢が柔らかいうちにということであれば、異を
となえるというものではありませんし、また老年生になるまで 手をつける
ないう意味でもありません。
手術以外の管理面でも担当者が苦労していたのを見知っているので、技量と
手数のある病院でないと大変なのではと考えているのです。

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