獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200104-267

社会の責任・個人の責任
投稿日 2001年4月23日(月)20時16分 T

ペット、愛玩動物、コンパニオンアニマル...立場による分類。
そして同じ動物でもその立場によって受ける扱いは変わると思います。
例えば、同じイヌでも国・文化によっては食用とされます。
そして行政のいう犬・猫は害獣に近いものだと思います。
やはり、今何について話し合っているのか...それをはっきりさせることが
大事だと思います。
ここでは、ペットもしくはコンパニオンアニマルについての私見を
述べさせて頂きます。

社会の責任・個人の責任について
まず、人の子供でも養子・里親というのがあります。
ちなみに、私にも子供がいます、犬・猫とも一緒に暮らしています。
そして、今のところ幸いにもなんとか共に暮らせることができています...
たぶんこれからもそうできるとは思っています。しかし、それは
私個人の力だけではなくと思っています、そして、
共に暮らしていけることが当たり前とは思っていません...
この先最期まで面倒みてあげられる保証はどこにもありません、
単に恵まれているだけだと思っています。
しかし、現実には...そうでない人もいるのではないのでしょうか?
そこで、飼いたいから飼う...それで一生飼えるようにすべきではないか、
社会がすることはないのか...それについて問うているのです。
確かに、なんでも社会(世の中、他人)のせいにしていては
何もよくならないと思います。そして、ただ個人を責めるだけでも
同じだと思います。
社会の責任・個人の責任について今一度考えてみてはいかがでしょうか?

ある実例...
ある日...今から10年ほど前のことですが、
安楽死の依頼がありました。
理由は転勤です。転勤先は都会で住まいは社宅...ペット飼育は不可。
8才中型・雑種犬...気性が荒く人を咬む、
いろいろかわりに飼ってくれる人を探したけどどうしても見つからず、
最後の手段として...でも保健所は可哀想..ということで電話がありました。
さて、この場合どう対応すればいいのでしょうか?

安楽死?バカなことをそれでも人間か!と一喝すればよかったのでしょうか?
それともそんな会社辞めなさいと諭すべきだったのでしょうか?
安楽死を拒否することは簡単なことです...気持ちいいことなのかもしれません。
しかし、それでどうなると思われるでしょうか?
保健所に連れていかれた動物の気持ちを想えば...私は、
“保健所"は絶対によくないと思います。捨てることはいうまでもなく
“保健所"も飼い主責任の放棄にあたると思います。
そこで、そうならないように初めから飼うな、
飼うなら5年後10年後15年後...20年間の人生設計を考えてから飼え、
絶対にペットより早く死んではいけない、
ペットをつれていけないところには転勤してはいけない..とは私には言えません。
やはり、飼いたいだけで一生飼えるように一生をまっとうできるように
すべきだと思います。そのためにはどうすればいいのか...私なりの考えが、
先の“ペットからコンパニオンアニマル"に簡単に書いてあります。

ちなみにその犬は小さい時に拾われたそうです...
迷い(捨て)犬をみて、自分の5年後10年後のことはわからないから、
みなかったことにする...これが責任のある行動とは言いたくない。
かといって、保健所も...やはりそれなりの施設は必要かと思います。
もちろん、捨て犬・猫を無くすことをまず考えるべきだと思います。
ですからまずなぜ捨てるのか...それについて客観的にその理由について
調べる(考える)ことが大事だと思うのですが...。

あたらめて...私が疑問に思うのはペット(コンパニオンアニマル)においての
避妊目的の手術についてです。前にも書きましたが、
“子供"のことはまったくの別問題だと思います。ちなみに、
避妊だけがその目的であれば、単頭もしくは同性だけの飼育であれば
手術は必要ない、と思います。しかし、
ペット(コンパニオンアニマル)のことを想えば、
やはり手術は必要かと思います。そしてそれは責任というより
(ある種の)愛情だと思います。もう一度...
産ませないことが愛情ということではありません、
無用ともいえるストレスをなくしてあげ心穏やかに
健やかに生きていけるようにしてあげることが愛情だということです。
ですから、“かわそうだから..."というのは手術を施さない理由には
ならないと思います。ただ、現実的には、
手術といえば、産ませないため...そうなっているように思います。
そういうことでは、
やはり手術に対して拒否反応をされる方もいるように思います。

実例...その2
子犬が生まれてしまいました...ちゃんと繋いでいたのに
いつのまにか妊娠して2匹生まれてしまいました。
今の家ではどうしてもこれ以上飼えない...だから、
眼の開かないうちに安楽死して欲しい....という相談がありました。
さて、どう応えたらいいのでしょうか?

上記2つの実例に対し実際どう対応したかは、
こうすべきだ...というご投稿があれば
それに対するレスとして投稿します。

                     T
PS
ところで、幸福になるという保証をもって生まれてくるものは
どれほどいるのでしょうか?そして、
すべての状況を考えて、本当にペットを飼えるのでしょうか?

幸になるか不幸になるか...やはり生まれてみないとわからない...
これは事実だと思います。だからといって無闇に増やせといって
いるわけではありません。ただ、幸せ(そう)になれ(そうに)ないから
といって安易に、生まれてくるんじゃないというべきではない、
ということです。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:「ペット用品販売」「犬の快癒整体」OrangeCafe様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。