獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200106-20

REナホトカ号災害
投稿日 2001年6月2日(土)00時48分 はたの

pc.nomuraさま

 プロキオンさまご指摘の私の「批判」の詳細については過去ログをご参照ください。プロキオンクさまは私との意見交換自体を拒否しておられますので、私からのリクエストはできませんが、現時点でこの話題を持ち出したのはブロキオン様ですので、私が過去ログの年月日を検索する義理はなかろうかと思っております。どうぞpc.nomuraさまご自身でプロキオン様似リクエストなさいますように。

 原則論から言うと、何かを批判するごと自体を批判するのは健全とは思っておりません。私の批判の「内容」についてご批判あるのは当然です。が、「批判したことそれ自体」は、なんら批判されるべきことではないでしょう。

>批判するのであれば自らボランティアとして参加し、自らの行動で示したうえで現場で意見具申や批判をすべきではないでしょうか。
 これは不可思議です。この論理を進めれば、現在話題の外務省官僚の機密費の取り扱いについても、部外者は一切批判できないことになります。それで良いとお考えですか?

 何かの行動をした人々の努力や苦労や熱意や情熱、そこにある崇高さと、その行動が結果としてうまくいったかどうかは無関係です。頑張りや苦労や熱意や崇高さに感謝することと、その成果をどう評価するかは別問題です。
 pc.nomura様は往時自衛官であられたとの由なので以下のたとえを持ちいますが、
 先の大戦において多くのかたが特攻や、民間人や味方の撤退のための時間稼ぎのために、あえて死地に赴かれ、亡くなりました。その行為の崇高さは厳粛に称えられるべきであります。特攻隊、あるいはひめゆり部隊、各地の守備隊・・・残された資料を読めば胸に手を当て厳粛な気分になりますし、彼ら彼女らが捨てた命に値するだけの現在の日本なのかと考えると、粛然とさぜるを得ません。
 しかしながら、そうした感謝の念と、全体的な被害を最小限に保ちつつ平和を得るために「当時日本が択りえた方策」として、特攻その他がベストであったかどうか、は別問題です。ここには常に批判の余地があります。
 自衛隊におられたのなら、旧陸軍の頑迷さをご存じでしょう。先の大戦直前、中国大陸から撤退すべしとの内閣の要求に陸軍は「今まで中国で戦死した英霊に申し訳が立たない」と拒否しました。行動した人々の崇高さを強調することによって、その行動の客観的評価を封じたのです。
 重油汚染された鳥たちを助ける獣医師やボランティアの行為の崇高さを強調して、批判の内容でなく批判そのものを封ずるのは、掲げる「お題目」こそ違えど、論理構造としては同じです。
 私は、重油汚染に立ち向かった人々の気持ちが崇高であることは疑いませんし、なんら批判しません。特攻に赴いた人々の気持ちを批判しないのと同様。しかし、特攻が戦略政略として妥当だったかには批判的に疑問を持っており、同様に、重油汚染された鳥への救助活動についても、批判の余地がないとは思いません。ベストは提示できっこありませんが、よりベターな方策が他になかったとは確信しておりません。そうした批判は、当時者の崇高さに対する尊敬の念を損なうものではなく、切り放されています。言い添えますと、私自身、傷病鳥のリハビリのボランティアをしておりますが、常に、「自分が行ったこと」について批判的です。「あのとき自分はこうしたが、よりよい選択肢はなかったか」と。また、重油汚染の救助に携わっている獣医師グループの中心的な何人かを存じあげており、救助された鳥、あるい同グループが扱っておられる部の理由で保護された鳥のケア(私は獣医師でありませんので、トリートメントに関しては何も言いません)については、直接に批判したり、疑問を呈したり、「こういう手はどうか」と申し上げたこともあります。私の申し上げたことの妥当性や、それをどう受け入れるかは別として、批判それ自体を拒否されたことはありません。よいよい救命率を目指すのであれば、批判の中に使えるアイディアがないか探るのは当然でしょうから。
 「気持ち」と「結果」は無関係です。気持ちに引き摺られて、「結果」に対する批判がやりにくいムードとなるのは危険と考えます。「気持ち」には他者が安易に介入するのは無礼でしょう。安易に批判すべきではありません。しかし結果は自由に批判されるべきと考えます。結果に対する批判は当時者の「気持ち」を汲む必要もないし、汲んではいけない、かえって無礼と考えます。

 私の「批判」へのご異議おありなら、批判したとの伝聞に頼られるのではなく、過去ログを直接ご参照のうえ、具体的に私が書いたことを挙げてどうぞ。
 

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