獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200109-209

狂牛病、思うことはあれど
投稿日 2001年9月24日(月)15時45分 プロキオン

パールちゃんがお住まいの県、そういえば新聞に名前があがっていたような。
もう1頭の所在判明しているのですか?

農業高校の生徒なら、今回のことがもつ意味の重要性は理解してくれると思い
ます。それでも、自分達が世話して来た牛ですから、複雑な感慨に捕われるで
あろうことは想像できます。
消却処分も温度時間を確実なもので実施しないと、プリオンを拡散させるだけ
に終わるおそれもたぶんにありますので、慎重に。
それにしても、脳の病理組織学的検査の結果はどうなっているのでしょうね?

>こんなことで汚染の可能性の範囲を絞り込むができるのか、はなはだ疑問で
 す。

肉骨粉の輸入が全然把握されていないのですから、あとからいろいろな事実が
でてくるのも当然といえば当然です。
先日のNHKスペシャルにおいても、欧州委員会の危険度判定に対して輸出国
データーと食い違うということで、「異」を唱えたようです。このような場合
当事国が過去20年に遡って実績を提出するように求められているのですが、
農水省の場合、「そのようなことを過去に遡って調査している間に もっと実
効性のある対策をやるべきだ」という理由で、過去の調査を実施しなかったそ
うです。そして、危険度判定の依頼そのものをとりさげてしまったというのが、
放送内容でした。
昨日の新聞でも、農水省の課長さんが「大豆粕や魚粉だけを餌にしていたので
は健康に影響がでる」などと発言しており、あまりに消費者をバカにしている
ように感じられました。
実際のところ農家でもこのような飼料を必要としているわけではありません。
安価な蛋白原料というだけなのです。農家の要求と言うよりも企業論理があっ
て存在している飼料と私は考えています。昨日の発言をした課長さんは、学生
時代に農家実習が足りなかったのでしょう。

私が言っている「汚染の範囲の絞り込み」というのは、餌の方ではなくて、牛
についていっています。こちらは、できるできないという議論は意味がありま
せん。やってもらわなくてはいけないのです。
接触の可能性が少しでもある牛なら、全て脳を調べるべきなのです。今なら、
実施不可能雄な数ではありません。実施するためには「法的な根拠」が必要で
すが、これを待っていたら確実に汚染は拡大してしまうでしょう。
金額的な補償についていえば、厚生労働省が検査のために予算化した30億円
よりは低額で済むはずです。

ここまでやって安全を確認しているのだからというのを、見せて納得してもら
わないと、牛肉離れは進んでしまいます。日本に畜産はいらない、全部輸入す
れば良いと言うのであれば、それでも良いのですが、農家は一生農水省を恨み
ますよ。

人間の患者が1人でもでるようなことになれば、大臣が頭を下げようが、辞め
ようが、それで済むことではなくなります。
それを思えば、我々消費者が 牛肉どころか肉そのものを食べないということ
でしか自己防衛のしようがありません。また、それを風評といって批判する行
為自体がうさんくさいものに見えて来ます。

>昨日、肉牛生産県の知事がTVカメラの前で特産牛のステーキを食べていまし
た。
「大丈夫です。おいしいですよ」と言いながら。

NHKスペシャルでは、ヨーロッパにおける狂牛病の潜在患者を17万人と放
送していました。
初動防疫の失敗が、いかに高い代償を支払うことになったか如実に物語ってい
る数字です。

>今日の折込チラシには信じられないくらい安い牛肉特売セールが載っていま
す。
精肉売り場には「この牛肉は安全です」の札が先週から立てられています。
その反面、給食から国産牛肉を撤廃する動きが広まっています。

以前は牛肉で何かあると、「国産牛肉を使用していますので安全です」の張り
紙が店頭に出たものですが、今回は「輸入牛肉を使用しています」の張り紙を
目にします。
ただし、日本よりも危険度判定の高い国からでは困ります。また、第三国を経
由した危険な国のものでも困ります。お店にしても本当に安全か否かを確認す
る手段は持ち合わせていないはずです。ただ、安全だと信じたいというのが本
当のところでしょう。
# 確率でいえば、安全である可能性の方がはるかに大きいのは事実です。

私の友人に肉類を一切口にしない人物がおりますが、その彼といえども家に
発病者が出たらと考えれば、他人事の顔をしている訳にはいかないのです。

国民一人一人の生活に関わる大きな問題なのです。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。