獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200203-64

reすごい噛むように
投稿日 2002年3月9日(土)00時34分 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。犬種もお書き添えいただくと意見が集まりやすくなるのですが・・・。

 ふたつの問題が混在しているように思います。
「鳴いているから行ってあげると」と「噛んだら叱るを繰り返していけば」と。
 ひとつめ。さらにふたつに分れます。1「鳴いているから行く」をやっていれば、「来てほしい時鳴く」ようになります。あまり好ましくないかと。ならば、「鳴いても行かない」でいいかというと、そうもいきません。2 イヌという種、あるいは生後3ケ月のイヌ、が、本来必要とするだけの濃度・時間を満たす接触がない(と思われる)、ことが根っこにあるからです。繋いでいるのかサークルなのかわかりませんが、「鳴いたら行く」ことが可能な時間(ご在宅時ってことですが)は、イヌが欲したら「イヌから人間に近づける」環境にされることが最も大切だと思います。平たくいえば室内に放しておく、ってことです。欲求不満が解消されないと、叱り方の工夫のような小手先の対応では間に合わない、と思います。むろん、甘やかせば欲求それ自体が際限なく大きくなり、それゆえの欲求不満も出て来ますが、それはまた別の話です。

 ふたつめ。マズルコントロールは効果的な叱り方ですが、叱るだけではうまくありません。イヌ/オオカミの群れを考えてみてください。子供は兄弟姉妹を噛んで悲鳴を上げさせ、噛まれて悲鳴をあげ、親を噛んで悲鳴をあげさせ、やりすぎると親にマズルを咥えられたりして叱られます。
 叱れて覚える割合は大きくありません。噛まれて痛かったら、ヒトが「キャン」と悲鳴をあげましょう。あるいは、「じゃれあい遊びの中で」手でイヌの皮膚をややきつくつまんで「キャン」と言わせましょう。そして、ヒトが悲鳴を上げてもなお強く噛んできたらマズルコントロール。また、態度で、「遊び時間終わり」をはっきりさせます。他に用事がある感じで、あるいはすこし疲れて不機嫌な感じで立ち去るので
OKです。なおもしつこく噛んできたら(この状況を作るためにも室内放し飼いがお勧め。鎖やサークルに遮られてそれ以上進めない状況だと、仔イヌが自分で我慢することが教えられませんから)、マズルコントロールをするなり、首筋掴んで地面に押し倒すなり。この時は抵抗を打破するまで厳しく。二度とやらなくてもいいように、つぎに同じことをしなくなるぐらい厳しく。ヒトがイヌの首の皮膚を噛むのは効きます。うなるのも効きます。イヌが体の力を緩めて鼻声で鳴くまでやります。当然、フォローが要ります。「遊び終わり」の合図を決めたように、「遊び開始」の合図も決めて、遊び時間の中では、痛くない程度に噛むのはOKに。イヌから遊びを誘ってきた時にも、「OK」なのか「今はダメ」なのかハッキリと。
 日常と無礼講を分けてください。日常時間内にはイヌがヒトより上になつてはいけません。が、無礼講の間はOKです。むしろ、無礼講の間はイヌとヒトが逆転する場合を作ってガス抜きしてやります。
 仔イヌは生まれてからしばらくは、24時間無礼講の中にいます。大きくなるに従って、少しずつ、無礼講でない時間の割合が増えていきます。3ケ月というと、半々ぐらいでしょうか、無礼講が4割ぐらいでしょうか、といったところなのです。この割合を無視して叱るばかりだと、かえって叱られ慣れしたあつかいづらいイヌにしてしまうおそれがあるやに思います。

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