獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200208-56

レス:フェレットのフィラリア予防薬
投稿日 2002年8月7日(水)17時30分 プロキオン

8月6日の たかみさんへ

フィラリアの薬というのは、1つの種類ではありません。フィラリアの発育ス
テージに合わせて、感染子虫を殺すもの、ミクロフィラリアを殺すもの、親で
ある成虫を殺すものがあります。

普通、私達が「フィラリア予防薬」と呼んでいるものは、感染子虫を殺す作用
を持った薬のことです。予防薬と呼んでいますが、「子虫のうちに殺して、フ
ィラリアの成虫が心臓に定着してこの成虫による一連の症状が発症しないこと
を予防する薬」と言う意味です。
服用すれば、1ヶ月間、体内で作用しつづけて感染を予防してくれるというも
のではありません。本当の作用は駆虫薬なのです。

成虫に作用する薬は、目的も呼び名も文字どうり駆虫薬です。

この薬の使い分けは、フエレットのおいても同様です。フィラリア症の予防薬
といって処方されている薬は、「感染子虫の駆虫薬」なのです。

本に記載されていた内容はおそらく成虫の駆虫薬のことを言っているのではな
いでしょうか。
フェレットの心臓は小さく容積もあまりないために、成虫を殺した場合肺動脈
の栓塞を起こす可能性があり、これが望ましいことではないという意味ではな
いでしょうか。肺動脈栓塞は犬にいても起こり得る現象です。

すでに感染してしまっているフェレットに「予防薬」を服用させる場合の危険
性は、犬おける場合と同じです。
予防薬として処方されている薬は、予防を目的として薬用量のとおりに服用し
ているのであれば、記載内容のような心配はありません。
また、薬理作用というのも、フィラリアの神経伝達物質の阻害ということにな
りますので、書き込みにありました「血便」とは直接の関係はないように考え
ます。

「フィラリアの予防薬」は複数のメーカーで製造されていますが、フェレット
を対象に認可をとってある薬はありません。
この薬のフェレットへの処方は、飼い主と獣医師との信頼関係において処方さ
れるものでなくてはなりません。
したがって、処方された主治医の先生は、できるだけ正確な内容として伝えた
かったのではないでしょうか?

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