獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200208-61

レス:診療費
投稿日 2002年8月8日(木)16時50分 プロキオン

8月8日の ももママさんへ

お尋ねなっている動物病院の診療費についてですが、どう答えて良いのか分か
りません。簡単に言ってしまうと、何についていくらと診療費を定めたら良い
か私もいつも悩んでいるからです。

例えば、犬の断耳で片耳30万円という病院もあるわけです。そちらの病院で
は、型紙のカーブラインから、耳を綺麗に立たせるために独自の工夫があって
、ただ切れば良いという手術ではないと自負しているわけです。
同じ目的の手術であっても、技量やノウハウに差があるので、異なる料金設定
となる場合が、まず1点としてあります。

もう1つ地域事情が存在します。
ある飼い主さんが、近所の病院で診察を受け、その先生の紹介で東京の病院で
「瞬膜フラップ」の手術を受けました。この時の手術料が6万円だったそうで
す。
でも、この同じ犬が再び目を傷つけてしまい、飼い主さんは最初とは別の病院
の門を叩きました。つまり、6万円は高い、もっと安く同じ手術をしてくれる
病院を捜したということです。今度の病院ではなんと1万5000円で実施し
てくれたそうです。
この話を聞いて、同門の獣医師の集まりがあった時に、この手術の代金は幾ら
が適正なのかと尋ねてみました。帰って来た返答は、6万円という金額は東京
であれば相場であり、不正に高く請求したものではないだろうとのことでした。
そもそも、東京であれば、1万5千円というような金額であれば、病院の駐車
場の賃貸料もまかなえませんよと言われました。

別の先生は、自分の病院の近くに眼病についていろいろ執筆している先生がい
るが、自信があるらしくてすぐ手術を選択している。でも、相手は犬だから、
自分で目を擦って悪化させがちで、自分の病院へ飼い主が転院してきてしまう
ことがある。自分は、手術以前にまずコンタクトレンズを使っている。かなり
の頻度でなくされてしまうが、手術料よりは安く済んでいると話してくれまし
た。

私は、第1点目で、技術料の差ということを挙げましたが、手術しないで他の
方法でより安く治療ができた場合、この差額こそが技術料として、その獣医師
に支払われても理屈としてはおかしくないと考えます。
このように逆の発想とうのは、まだまだ多くの飼い主さんには受け入れがたい
ものがあるのでしょうね。

自らの知識と技術をいくらと評価するのは、主観の入っている者にはなかなか
難しいですね。どうしても、自らが研修を受けた病院の料金表を参考とするこ
とが多いのではないでしょうか?
そして、それに地域事情が考慮されて料金設定ができあがるようです。

診療料金については、「日本獣医師会」が全国規模で実態調査を実施したこと
があり、そちらホームページにもそのようなコンテンツがあったと思います。
ただ、その際の調査報告を見ると、全国一率にしてしまったため、疑問符が浮
かぶ箇所が少なからずありました。
とりあえずの参考とするのには構いませんが、あまりそれに拘泥されませんよ
うにお願いします。

眼瞼内反、外反の手術というと実のところ、私も適性相場を知りません。書き
込み内容からは、ちょっとバタバタしたようですが、私も同じような対応にな
っていたかもしれません。
動物病院は、外科に内科に産婦人科、そして耳鼻咽喉科や眼科まで、こなさな
くてはなりません。あらかじめ、料金設定がしてない項目というのも 出て来
ても不思議ではありません。
申し訳ない事だとは思いますが、1人であらゆることを想定するには無理があ
あります。その点は御理解願いたいと考えます。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。