獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200209-91

マルチレス
投稿日 2002年9月11日(水)18時38分 プロキオン

9月10日の ナタさんへ
オメガ6とか3とか、また、化学構造式のからんだややこしい部分についての
質問ですね。
脂肪というのは、そもそもグリセロールがいくつかの脂肪酸と結びついてでき
ています。脂肪はエネルギー源であり、かつその貯蔵源でもありますが、細胞
膜のリン脂質源でもあります。この後者の機能ゆえに炎症における体内の細胞
動向にかかわってくるのです。
簡単に述べますと、オメガ6は、炎症促進、凝集促進、免疫抑制、血栓形成の
方向に作用します。オメガ3の場合は、炎症減弱、抗凝集作用、非免疫抑制、
血管拡張の方向で作用します。これらの作用はどちらか一方があれば良いとい
うことではなく、炎症の各ステージにおいてより必要とされる時期があるとい
うことにすぎません。どちらか一方が多くなり過ぎれば、それぞれの弊害が出
てくるのです。
バランスが大切と言うのは、そう言う意味なのです。

また、この2つの脂肪酸は、肝臓の代謝系酵素において競合します。作用にお
いても代謝においてもこの両者は競合しますので、この2つの脂肪酸のバラン
スを調節することによって炎症をコントロールしようとするわけなのです。

オメガ6は、リノール酸やリノレイン酸を経てアラキドン酸となります。この
アラキドン酸は猫では体内で生成できない必須脂肪酸です。紅花オイルや月見
草オイルに多いとされています。
オメガ3は、EPAやDHAといった方が今では理解が速いかも知れません、
魚の油に多く含まれています。


9月10日の ぴよきちさんへ
発情出血が続いているようですね。私も診療していて1ヶ月以上も出血が持続
する犬にしばしば遭遇しますが、このような犬は子宮内膜症や子宮蓄膿症を併
発しやすい傾向がありますので、私自身も早期に避妊手術することを勧めてい
ます。
卵胞ホルモンのいたずらで、子宮からの出血が持続するということのようです
ので、原因となる両者を取り除けば、問題の解決に繋がります。とくに問題が
起きていなくても、9ヶ月をすぎているのであれば、避妊手術としても検討さ
れて良いと考えます。


9月10日の よっしーさんへ
慢性の膀胱炎はたしかに尾を引きやすく、なかなかやっかいです。
しかし、きちんと診断がついて投薬されているのであれば、上行性に腎炎を併
発すると言う可能性は低いように思います。
腎不全というのは、腎炎とはまた別の疾病形態であって、必ずしも膀胱炎とつ
ながりがあるということでもありません。他の疾患からも移行することもあり
ます。原因として、膀胱炎だけを特別視される必要はありません。


9月11日の ことさんへ
うちの子も膀胱炎とありますが、よっしーさんの書き込みにかけてあるという
ことでしょうか?
でしたら、なおのこと早く病院へいかれることをお勧めします。


9月11日の ミーちゃんもうすぐ成人式さんへ
最初に書き込みを拝見した際には、老猫における巨大結腸症のことかなと思い
ましたが、腸管の一部が狭窄していると言う事であれば、田口先生のレスが適
切かと思います。
実際問題として、私も1例だけ骨盤内のリンパ節の腫大で通過障害をおこした
猫を経験しています。何回も手術した猫であったことと、肝臓にすでに転移が
あったので、手術の適応とはしませんでした。
本人はどうしたかというと猫にあるまじく大量の水を飲みました。そして自分
で下利便の状態にして、又餌を食べるという生活をしていました。
とても人なつこく大人しい猫でしたが、野良猫でしたので、最後まで自らの力
で生きようとしていました。
手助けをしてあげることはできませんでしたが、本人はそれなりに納得して人
生を終えたのでは無いかと考えています。

相談対象のミーちゃんですが、生まれた際からの掛り付けの先生がいるのであ
れば、その先生こそが最もミーちゃんの状態を把握しているのではないでしょ
うか? 20年近く診察している先生がいるのであれば、その主治医の先生を
上回るレスは私には書けません。

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