獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200210-115

レス:2題
投稿日 2002年10月15日(火)15時06分 プロキオン

10月14日の みほさんへ
私も書き込みを拝見して、これはどういう状態なのだろうかと考えてしまいま
した。
やはり、田口先生がお話されているようなことしか思い浮かびませんでした。

ただ、水晶体が前方へ脱臼しているのであれば、前眼房の中に存在しているは
ずですし、後房内へ脱臼している場合でも断列したチン氏帯を付着させた水晶
体の辺縁が多少は見えるように考えます。
眼圧が上昇しているのが緑内障ですから、さらに後方に逸脱しているとしたら
相当に痛みが伴うようにも考えられます。きれいに眼底の血管も観察可能のよ
うですから、角膜浮腫や牛眼とも受け取れないのです。獣医師によって少し異
なった認識状態にあるということだとすれば、確かに第三の意見も必要になる
かもしれませんね。
実際にどういう状態にあるのかよく分からないというのが正直な感想です。

あと、肉用牛においては、一時意図的にビタミンAを破壊した餌を給餌するこ
とありました。これは柔らかい肉を造る目的で行なわれたことなのですが、目
の水晶体はもののみごとに透明になって、その存在が疑われるくらいになりま
す。当然、牛は失明しています。
このような肥育方法は、あまりに事故が多く、国でも研究や指導に乗り出した
経緯があり、今ではなくなっているはずです。
対象が異なりますし、わざわざ意図的に実施したことでもあり、1ロットやそ
こいらの餌で、このような情況になることも考えられませんが、思い付いたこ
となので、記載しておきます。こちらはあまり参考にしなくても良いです。


10月14日の ふかぽんさんへ
5月の後半からということであれば、おそらく子宮蓄膿症ではないのではない
でしょうか。
犬や猫でこの疾病を経験されている方なら、動物病院で説明を受けていると思
いますが、この疾病は進行すると腎不全を併発し、麻酔をかけることも危険な
状態となり、手を出せないままの転帰をとることがあるからです。
では、子宮疾患でないかというと、そういうわけでもなく、たぶん、卵胞嚢種
に由来する子宮内膜症の状態なのではないでしょうか?
こちらですと、感染のコントロールができていれば、何ヶ月かの生存は可能で
す。ただ、貧血や衰弱が進行していることには変わりありません。1歳半であ
れば、老齢個体といってよいと思いますので、なおのこと情況に厳しいものが
あります。
小さい命であり、食べる事ができなくなれば、消耗も早いので、なんとか食べ
て貰いたいのですが、お勧めするようなものはすでに試されているみたいです
ね。栄養を確実に摂取するということであれば、非経口投与になってしまうよ
うに思います。
御期待にそえるようなレスにならなくて申し訳有りません。

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