獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200311-191

滲出性胸膜炎
投稿日 2003年11月16日(日)20時47分 プロキオン

11月15日の みとさんへ
滲出性胸膜炎は検索されるのであれば、むしろ「膿胸」で検索された方がヒッ
トするかもしれません。こちらの病名の方が一般的かもしれません。

文字を読めば、胸の中に膿みがたまる病気のように思えますが、いきなり膿み
がたまるわけではなく、前段階として、胸膜からの滲出液(最初は奨液)や血
液、白血球等が胸隔や肺を包む胸膜が形成する胸腔内に貯留します。
この胸腔は本来は隙間がなく肺が充分に拡張することができますが、液体成分
が貯留するようになると、肺は拡張が充分にできなくなって、動きが不活発と
なり、元気も段々となくなってきます。
大人しくしているかぎりは、飼い主も異常に気が付かず、なんとなく呼吸がお
かしい、食が細くなっているというようなりん告で来院することが多いです。
獣医師から見ると、やはり呼吸が変だなという感じがするのですが、このよう
な時に興奮させたりすると、いきなり呼吸不全を呈して死亡します。
# ドアの閉まる音に驚いたとか、抱き上げられる際に恐怖心を感じたとかで
  す。
動物病院では、もしやと思ったら、充分に酸素化してからでないと触ってはい
けないと先輩から教わります。

死亡した猫の胸に針を刺して吸引すると、真っ赤な血液様の液体が出てきます
。この液体による肺の圧迫が問題となっていたわけなのです。
この疾病は、呼吸器病に継いで起きるようなのですが(胸膜炎のなので)、進
行が緩徐なので、いつからということは見過ごされていることが多いように感
じています。
レントゲンを撮影してみると、特異なシルエットが見られると思いますが、治
療には時間がかかると思います。

胸に水が溜まるということであれば、おそらく主治医の先生もこの疾病は念頭
におかれて検討されているはずです。
1つの例として私もあげましたので、あまりこちらの疾病にこだわりませんよ
うに。

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