獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200312-124

Re.どうしたら・・・
投稿日 2003年12月13日(土)23時55分 チーママ

人間の声って不思議です。思いやり深くなっているときは優しく深く
なります。電話でも伝わるものですよ。
ですから電話を仕事の一つにしている私の職場の女性はみなニコニコと
応対します。微笑んでいる時の声、真剣に相手している時の声、悲しく
思っている時の声、みな伝わります。

どうしたら共に心を痛めているかを伝えたいなら、しっかり相手を見つめて
「上手くいえませんが、お力になれずにごめんなさい」と深く頭を下げ
てみてはどうでしょうか。
回復の見込みがない方には「少しでも良くなるよう、一緒に頑張りましょうね」
一番いけないのは、やはりどうしていいか分からないから機械的になる、です。

先日獣医さんで出会った飼い主さんは寝たきりのワンちゃんをお連れでした。
寝たきりなのに毛焼けもなく、床ずれもない。
「よくお世話してらっしゃいますね。いいお顔をしていますし、きっといつも
 側において声をかけたり体位を変えたりしていらっしゃるのでしょう?」
と声をかけたら、まさにその通りだったようで、とてもうれしそうに
「分かりますか?そうなんですよ」とニコニコされていました。
ご自分が頑張っていらっしゃるのを人に認めてもらうって、励まされ
るお気持だったのでしょう。
また「あなた、いいお顔ねぇ。可愛がられている子はお顔が違うのよ」
となでていたら
「いい子ですって。よかったわねぇ。なでてもらえてうれしいわねぇ」と
ご自分が誉められたように喜んでらした。
飼い主さんに言い様がなかったら、患畜さんに声をかけてあげればいいのです。
「今日も頑張ったわね。また明日いらっしゃいね」
「暖かくしていい子にしていてね」
ペットに声を掛けてもらって嫌な飼い主はいないはずですから。
またある日、甲斐なく亡くなってしまったペットの飼い主さんへ
お花を贈っているのも見かけました。花束でなくとも、例え一輪の
お花でも添えて上げられたらステキですね。

獣医さんで働くスタッフは皆さん動物好きで、根は優しい方だと
信じています。
が、受付や電話での応対が冷たく、あるいは機械的・事務的に
聞こえる事がままあるのです。つまり暖かさがない。
これは病気の子や問題ある子を抱えている飼い主には、ちょっときます。
つまり心が傷つけられる。
ただでさえナーバスになっている心は、すぐに傷つくのです。
想像してみてください。
あなたが高熱の風邪をひいた子供を連れて病院へ行ったとします。
初めてのところで勝手が分からなくてとても不安。受付へいったら
「初めてならそこの紙に必要な事書いて、ここへ出してください」
とニコリともせずに言われたら・・・
一方「初めてですか?今日はどうなさいましたか?ではここへ必要
な事を書いて出して頂けますか?・・・ではそちらでお待ちくださいね」
と微笑みながら言われたら、ほっと安心しませんか?
看護士さんは動物のお世話をするだけでなく、獣医さんと飼い主さんを
つなぐパイプ役です。初めてで緊張していたり、病気で不安になっている
飼い主さんの心をなだめて、上手に先生に引き継ぐ事も大切なお仕事です。
ものは言いようで角が立つと言いますね。
忙しいから、どうしていいから分からないから、と必要最低限だけ言うのは
正直間違っていると思います。
言葉遣い、表情、声のトーン、こうしたことに気を使う事で、必ず
あなたの気持は伝わります。
あえて言わせていただければ、言葉遣いは気になさった方がより良い効果を
生むと思います。

またこれをお読みの獣医さんに。
試しに外から病院へ電話してみてください。
ご自分のスタッフがどういう応対をするのか。声でわかってしまうなら、
何方か知り合いの方にお願いしてみても良いかと。
下世話な言い方しますと、獣医さんもお客さん商売です。応対が暖かさを
感じるものになっているか。親切であるか。飼い主さんが嫌な気分にならないか。
チェックなさる事も大事ではないかと思う今日この頃です。

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