獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200312-183

トイレの回数
投稿日 2003年12月22日(月)19時30分 はたの

おなじ外出でも、散歩か訓練かを区別するのはいいアイディアですが、もう少し補足。
 眼目は、「いまがどんな時か」を判ってもらうことです。その助けとして、外出目的の区別もあります。言い換えれば、「いまがどんな時か」判ってもらえるのならば、他の方法でもいいわけです。
 
 出発、排泄、訓練開始、排泄、排泄、訓練終了、少量の排泄、ですよね。
 訓練開始から終了まで全部を「訓練時間」と認識させる必要はありません。途中に休憩を挟んでいいわけです。「」内が訓練全体として、「セッション、休憩、セッション、休憩、セッション」みたいに。排泄を我慢させるのはセッション中だけでいいということになります。実際の使役犬、考えてみてください。牧羊犬や猟犬が朝から夕方まで仕事する、その途中での排泄はOKです。けれど、いざヒツジの周囲を走り回っている時、獲物を追い出そうとする時、この時は、教えなくたって排泄しませんよね。
 同じような雰囲気にもっていけばいいのです。CD1でなくCDXなのですから、いままでも同じお悩みがあったろうと思うのですが、何分なら保ちますか? それを目処に、少しずつ伸ばすのがお勧めです。
 同じような雰囲気にもっていくためには、いくつかのコツがあります。1、適度な緊張、2、終わりを明確に。
 1、は、強すぎても弱すぎてもうまくありません。ことに、ハンドラーからの指示が強すぎるほうを警戒して下さい。CDは、ぶっちゃけたハナシ、イヌにとって意味のある、やりがいのあるネタがありません。ヒツジとか獲物とかフリスビーとかチャレンジングな障害物とか、ありませんよね。かつ、ことにCDXだと、イヌが意味を見いだせない、つまりイヌが自分で判断しづらい、細かな種目の違いがうじゃうじゃとあります。ハンドラーの存在が重くなりすぎやすいわけです。と、怒られないかな・・・といつもヒトの顔色ばかり伺うような、不安の要素が強い緊張になって、トイレが近くなったりします。
 ことに、書き込みを拝見していますと「完全にマスター」のように、あるいk1tさんのサイトを拝見しても、やや、k1t さんがしゃかりきになっておられるのではないかと。
 試験がそれ自体が目的化しちゃうのは世の常ですが、家庭犬訓練なのですから、本来は、試験に受かるかどうかが目的ではなく、ふだんの家庭生活上でコントロールできるかが主題であり、試験はあくまでも出来具合を確かめるための1手段にすぎません。そこが本末転倒してヒトのお受験のように受かることのみが目的化すると、かえって不都合が出て来ましょう。ヒトからみりゃあ訓練でも、イヌにとっては遊びでないと。プロがその仕事ぶりで売れるイヌを作るのではないのですから、少し肩の力を抜いてみてはいかがでしょうか。古書でないと入手困難ですが、「駄犬のマイクは大天才」(文春文庫)のご一読をお勧めします。イヌが楽しんでいる仕事と、型に填められた仕事の違いが活写されていますから、ヒントになりましょう。
 2、これも、忘れがちです。スタートの時だけ合図して、終わりの時に合図がないと、イヌがうまく区別できなくなります。イヌ自身が判断できる手がかり(ヒツジが柵に収まって戸が閉まるとか、獲物が出るとか倒れるとか獲物を飼い主に渡すとか)がないのですから。緊張をといてヨロシ、の合図を決めて、各セッション終了時に「必ず」スイッチオフを伝えることを心掛けるとよろしいかと。

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