獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200401-72

>しっぽの保存 かたみわけとして
投稿日 2004年1月10日(土)21時02分 こば

みみんさんのつらいお気持ち、お察し致します。
みみちゃんとのお別れ、本当につらいですよね。

愛情を注ぎ、可愛がって来た飼い主にとって、「死」によって引き離される感覚は、
簡単に受け入れ難いものだと思います。
ですので、何と意見していいのか、半日悩みました。

日本では、例えば愛するわが子を失った場合でも、その身体の一部(髪・爪以外)を
切り取って保存することは、「死体損壊罪」といって罪になります。
それは、一般的な日本人の価値観として、遺体に手を下すことが、あまり好意的に思
われていないからでしょうね。
でも、海外では遺体をミイラとして保存する国もありますし、火葬が快く思われていない
国もあります。
動物の場合は、法律的・風習的な束縛はないのですから、あとは、飼い主さん自身の
「倫理観」ではなく、「価値観」(どっちか言うと「宗教観」)の問題だと思うのです。

結論から言えば、みみんさんが望む形で・・・ということになるのですが、
ここからは、私個人の価値観による意見となりますので、ご参考まで。

私なら、気持ちが落ち着くまで、(お金に余裕があったら)葬儀社等に、とりあえず死体
保存の処置をしてもらって、別れの時間を過ごします。
そして、1週間ほど傍にいて、もう戻って来ないんだと気持ちに踏ん切りがついたら、火
葬にして、遺骨は受け取ると思います。
どんなところに埋葬するか、自分で決めたいですからね。
佐久間正代さんのように、一緒に自分のお骨に混ぜてもらうというのは、とてもいいアイデ
アだと思いました。

昔、実家にいた頃は、飼っていたペットは、全員、庭に埋めてあげたものです。
目を腫らして化学の授業を受けた時、分子レベルでの輪廻転生を感じて、あの子の
分子も空気になって、私の身体になって戻って来るのかなぁ・・・と思った記憶が
あります。
今はマンション暮らしなので、庭がありませんし、引っ越してしまう可能性があり
ますから、荒らされないようなお墓を探すか、手元に置いておくしか方法がありま
せん。

遺体(もしくは、その一部)を何とかして手元に残したいと思うのは、人間ならではの
感覚であり、例え、それが人間のエゴであったとしても、決して責められるべきもの
ではないと思います。
しかし、遺体を手元に置いておいたとしても、元気な頃の毛艶の良さは失われた形で
残りますし、もう感情によって揺れることもありません。
哀しいことですが、もう、みみちゃんは、みみんさんの声に返事はしてくれないし、
輝く瞳で見つめ返してもくれません。
それは、天に召されてしまったからです。
命あるものを育てていたのですから、「死」はやはり避けられない現実なのです。

私自身は、できるだけ完全な姿のままで、自然に帰してあげたいと思っています。
これは、宗教観に関わって来ますから、何故かと言われると困るのですが、簡単に
言うと、お空に昇る時に不自由しないように・・・かな?
感覚的に、ありのままの姿に「尊厳」のようなものを感じているからかもしれません。
まぁ、どっちに転んでも、結局、私の自己満足な感覚でしかありませんが・・・。


みみんさんに可愛がってもらって、みみちゃんはきっと幸せだったと思いますよ。
みみんさんも、きっとみみちゃんにいっぱい元気を貰っていたのでしょうね。
そして、みみんさんがどんな送り方をしてあげたとしても、それは他人が思う「残酷」
などという感傷的な言葉で片付けられないところで、みみちゃんは理解してくれると
思います。

納得できないのであれば、火葬を急ぐのではなく、涼しいところに置いてあげて、
2〜3日だけでも、心の整理をつけられる時間を設けてはいかがですか?

みみちゃんのご冥福を心よりお祈りします。

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