獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200403-210

マルチレス
投稿日 2004年3月28日(日)14時42分 投稿者 プロキオン

3月26日の みさとさんへ
猫はもともと肉食動物ですから、猫草が消化されないで排泄されることは
なんら異常ではありません。むしろ、物理的に消化管内の被毛の掃除を目
的として給餌されたりすることもありますので、そのような場合であれば
消化されてしまったのでは、不都合と言えます。
飲水量については、個体がかなりあるので、なんとも言えません。
生存に必要な1日の水の量からすれば、これは多いといえますが、尿石症
の療法食を食べているからには、(飲水量を増やして尿石の結晶が形成さ
れにくくするために)飲水量が増えるのは、意図されている効果です。
したがいまして、単純に多い少ないとは言えません。


3月26日の だいずさんへ
山羊は中家畜になるかな? 確かに診療してくださる獣医師には、めった
に遭遇できないと私も思います。
ただ、同じ偶蹄目の家畜で反芻獣である牛の診療は家畜共済の先生が診て
いるはずですので、そちらに相談されてみることをお勧めします。
動物園でも子供との触れあいコーナーを設けている施設であれば、山羊は
いると思います。
それでもダメであれば、県の畜産課に御相談下さい。全国組織で緬山羊組
合という組織があり、こちらが国種畜場からの山羊や緬羊の払いさげ窓口
となっています。
この組合いの事務局が畜産課に置かれていたり、あるいは連絡先が教えて
もらえると思います。
また、県の酪農試験場自体で、山羊や緬羊を飼育していたりします。獣医
師免許をもった職員も配属されていたりします。
 # 診療しているとは限りませんが。


3月28日の preirieさんへ
「野生動物だから、皮下注射しかできない」あたっているような、あたっ
ていないような言葉ですね。
何をして良いのか分からないという意味かもしれませんね。

「脱水」というのは、1つの徴候にしかすぎませんから、「脱水」に至っ
た原因をさぐらないとなりません。お書きになっている事柄は誘因かもし
れませんが、真の原因とも思えません。
「脱水」が異常の全てであるなら、輸液でも補液でもしてあげれば、状態
は改善されるはずです。これは野生動物だから云々は関係ありません。
野生動物だから、「誰がどうやって」ということなのでしょう。

診療体制のない動物を飼育するということは、飼育者にかなりの覚悟が必
要です。国内の動物園においても、過去、野生動物の消費という非難を寄
せられながらも飼育技術を培ってきた経緯があります。
当然、これらの施設においても、担当職員の相当な努力とバックアップ体
制があってのことといえます。
個人が野生動物、とくに輸入された野生動物を飼育しようとするのであれ
ば、飼育管理技術も診療体制も自ら用意しなくてはなりません。情報収集
力も金銭的裏づけも、また同じ事が言えます。


3月28日の アツさんへ
シェルティーの耳の画像拝見しました。通常の耳道炎ではなく、慢性化し
てしまって肉芽腫状態になってしまっているのか、あるいは新生物の形成
を伴ってしまっているのかもしれません。所謂「耳茸」と呼ばれている状
態に似ていると思いました。
で、ここまでの判断は、特段むずかしいとも思いませんので、受診された
どちらの病院でも同じような意見をもったのではないでしょうか?

問題は、耳道洗浄や外用薬で、どうにかなりそうなレベルを越えてしまっ
ているので、外耳道の一部もしくは相当な部分の切除を考慮した時に、治
療指針として、どのように飼い主さんに告げるかで迷ってしまっているの
ではないでしょうか。
私の患者の中にも、ちょうど猫で同じような症例がいますが、飼い主さん
には、「私の技量では、摘出できません」と告げています。では、どなた
か紹介ということになるのですが、友人関係では進んで引き受けてくれる
という病院はないです。
犬の耳道摘出を実施したことのある先生もいるのですが、美観を損ねる可
能性がある以上は、敢えて手を挙げたいとは考えないという気持ちも理解
できます。本人が承知していないからには、私がかってに名前を挙げて、
迷惑をかけることもできませんから、「治療できない主治医」の評価を甘
んじて受けるしかないと思っています。
# 大学病院への受診は勧めてはありますが、やはり県内でという御希望
  なのです。




◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。