獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200408-162

RE:なにかアドバイスいただけたら…、
投稿日 2004年8月13日(金)12時01分 投稿者 プロキオン

8月12日の えりさんへ

御相談内容は、ネットでの質問に適しておりません。実際に診察してから
の判断が必要と考えられます。
もっとも、実際に診察した3名の獣医師において三者三様の見解に分かれ
てしまったから困ってのことなのですよね。

ネットにおいてでは一般論のお話にしかなりませんので、具体的な判断が
必要とされる事柄には無理があります。
そして、判断に必要とされる「腫瘍の正体とそのステージ」と「患者であ
るキャバリアの心臓の情況」がまったく欠落しております。この2つのデ
ーターがなければ、事の適否の判断してはなりません。

実際のところ、この3名先生方は、どなたも精巣の腫瘍の検査をしていな
いように読み取れますが、ここが肝心の点です。

腫瘍が良性であろうと悪性であろうと、手術を先延ばしにした場合、今よ
り患者自身の体にとって、有利になる事柄はないであろうと私は考えます。
腫瘍が小さくなることも、心臓の状態が良くなることも、ないであろうか
らです。手術の適応が必要な症例であれば、これは早い程良い結果に繋が
ります。
この点においては、(1)のA先生の言われることは、うなづけます。

また、その一方で、患者が手術に耐えられなければ、意味がありませ
んので、手術を否定されている(2)のC先生も正しいことになりま
す。

しかし、私は、腫瘍は良性であると発言してしまっているこのC先生
の発言が気にかかります。本当に検査をされているのであれば、腫瘍
の種類とその進行ステージはあきらかになっているはずです。その上
での意見であれば、かまわないのですが、
  どうも、(3)のB先生と同じ情況なのではないかと、えりさん
の投稿からは読めてしまうのです(私には)。

したがいまして、私はこの3つの見解を白紙に考えて、他の病院で精
巣の腫瘍の検査を実施されることを検討されたらと思います。

腫瘍は何なのか、それは悪性か良性か、その進行ステージはどのくら
いかを調べて貰うのです。その結果をもとに、今現在の心臓の情況を
考え併せることが必要なのです。
もし、その結果で手術の適応症例であればするべきですし、手術不適
応であっても、化学療法剤の選択が必要になりますので、腫瘍の正体
は分かっていた方がよろしいでしょう。
( 手術しないということは、何もしないということとは異なります )

10軒20軒と動物病院のハシゴをすれば、話のおとしどころという
のは掴めてくると思いますが、それではなんですので、一度、キチン
と疾病と向き合ってくれる病院を受診された方が早いでしょう。

その3名の先生がいいかげんというのではないのですが、同じ患者に
対して、対立する意見になってしまったのでは、困惑するのは患者と
その飼い主です。
検査とそのデーターにもとづいた判断を求めるべきですので、お近く
の動物病院事情がそのようであれば、多少距離があっても大学病院ま
で行かれた方が早いかもしれません。

# 腫瘍の検査自体は外部の検査機関へ細胞を送付するだけなので、
  街の病院でも可能なはずですが…。

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