ウチの町は、最近では「クマ対策日本一」と自称していますから平均を反映しているとは限りませんが、ま、定点観測には使えるでしょう。
　最近の殺処分では「やむなく」が強調されていました。
　奥山放獣開始したころはまったく逆で、ようやく捕まえたクマを殺処分「しない」ことについての説明が強調されていたものです。
　変われば変わるものでありますな。

　それを思えば、「安易に殺処分するな」という青く幼い意見が見られるのも、非致死的対策が理解を得られつつあるという証であり、寿ぐべきものなのでしょう。
　
　どのような意見であってもそれを述べることは許されるべきではありますが、どれだけの何を踏まえているかによってその重さは異なります。
　後発組にとっては、背景の勉強は面倒に見えるかもしれませんが、自分たちで試行錯誤するのではなく先人の足跡をたどればすむというのは、実は大いなるラクといえます。さまざまな概念をひりだすのに比べれば、すでにある概念を勉強すればすむのはラクなのですから。
　そして、「まず学んでから」意見を持つことによって、ようやく物事は進歩していきます。学ぶことなく導かれた得手勝手な思い込みによる意見は意見の名には値しません。それは単なるガキの言い分に過ぎません。
　世界が自分間の思い込んでいたほど美しくも善くもないのを受け入れるのは大変ですし、青春の一断面としてはそれもアリでしょうが、そのジタバタは他者にとっては無意味です。
　若さ青さイキのよさは結構なものですが、同じエネルギーを、「学んでから」発揮されれば何倍も有意義なものになります。
　現実に向き合えるぐらいに成熟された暁には、ぜひ、謙虚に学ばれんことを。