獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200411-105

>KAさん
投稿日 2004年11月12日(金)14時15分 投稿者 プロキオン

「暴言」という言葉は、不適切だと思います。

ワクチンに限らず、あらゆる医薬品は何重もの検査を受けてから、流通に
のるシステムとなっています。
もし、ワクチンに問題があって、犬が死亡したのであれば、動物用医薬品
検査所における検査をすり抜けていたことになりますし、当然、死亡犬は
1頭に留まりません。その検査したロットのワクチンについて不具合が多
数報告されてきてしかるべきです。
獣医師において、不必要に大量(例えば20〜30頭分の薬用量)を接種
したとしたら、どうでしょうか?
かかる事態は、あきらかに異常といえます。が、しかし、そのような事を
予想する事自体が、むしろ不自然です。本来の薬用量である1ドース用量
に対して、通常5倍とか10倍とかの接種はメーカーにおける安全生試験
において実施されています。この安全性が確認されていなければ、メーカ
ーに製造承認は、おりません。
1頭の犬に5倍とか10倍の量のワクチンを誤って接種してしまうという
ことが、どうにもありえない話しですし、例え、接種してしまったとして
も普通の犬であれば、健康に障害を生じることはありません。

にも、かかわらずというか、急性アナフィラキシーでショック死する犬が
出ると言う事であれば、引き算で計算していけば、犬自身の体質と言わざ
るをえません。
犬の遺伝にかかわる疾病については、先日もあるテレビ局が特集を組んで
おり、ボーダーコリーのあるブリーダーを追っていました。
なにも、そこまで行かなくても、実際犬の品種に流行があるのは、誰しも
承知していることであって、私もある流行犬種に、アレルギーが多いと感
じています。
流行に乗じての販売が多くなれば、アレルギー体質の犬が巷に増えるのも、
これは1つの流れといえます。

したがいまして、そのことが遠因になっているのではないかと申しました。
これは、暴言なのでしょうか?
「暴言である」と言われてしまったら、逆に私としては、納得できません
し、何を話して良いのか、言葉を失ってしまいます。

私の病院ではね、初めて子犬のワクチンに訪れた方には、接種した後、か
なりの時間をかけて、ワクチンの説明(予防対象となっている疾病や時と
して現れる副作用いついて)説明しています。
これは印刷したものではなく、必ず、その場で説明します。そうしないと
飼い主さんは印刷物では読んでくれませんので。
そして、その説明でさらに時間が足りなければ、飼育や躾け、餌について
も話題として、飼い主さんを引き止めています。30分くらい時間が経過
したのを確認できたら、もう一度、犬を抱き上げて、犬の様子を確認して
「急性アナフィラキシー」のお話をします。事前に説明していると、かえ
って不安がらせてしまうので、このことにつては、事後に説明しているわ
けです。
さすがに、病院が混雑している時には、このような悠長なことは実施でき
ませんが、私の病院にもワクチンに対して、アレルギーを有する犬はおり
ますが、急性アナフィラキシーで死亡した犬はおりません。

KAさんは、私がアナフィラキシーショックによる死亡を、ワクチンのせ
いではなく、ブリーディングのせいと話を摺り替えようとしていると受け
取られているのかもしれませんが、そんな意図は私にはありません。
経験の中からの事実として話しています。

>ワクチン=安全というのであれば、ワクチン接種による事故というもの
 は、なくなるのではないでしょうか?
 人間でも、アレルギー体質・ワクチンによる事故がありますよね。

ここが誤解のもとです。100%の安全は、いかなる医薬品においてもあ
りません。
体内に異種の生命蛋白質を入れるのですから、それに対応できない個体は
人間であろうと犬であろうと、それが存在することは避けられません。
ただ、人間であれば、子供を産むなとは言えませんが、犬であれば、血統
書によってアレルギーが出やすい血統の繁殖は抑制できます。

また、薬品というのは、生体に対して、なんらかの左様を及ぼすから、薬
品なのです。その用量によっては、「毒」にも「薬」にもなります。それ
を考えずに100%の安全だけを求められれば、使用できる薬品はなくな
ってしまいます。
庭の花壇にある草花でも、有毒成分をもった花は植えられています。ビン
カやロベリア等は、ガーデニングにこっていなくても普通に植えられてい
るのを見かけます。これらの花で死亡事故が起きるとは考えられておりま
せんから、なんらの規制もありませんよね。

>薬にしても、ワクチンにしても、大半の人や動物には、有効であっても
 中には、やはり合わないという人や動物もいるのではないでしょうか?
 動物病院でワクチン接種する時には、獣医師が必ず「ワクチンをうって
 具合が悪くなったりした事はありますか?」と必ず聞きます。


ワクチンにアレルギーがある犬がいることは、私は最初から申し上げてお
りますよ。そのような犬の存在をいつ私が否定したでしょうか?
だからこそ、繁殖の方で抑制できたらと言っているわけでして、そのこと
を「暴言ではないか」と同じKAさんが、発言されることの方が、私とし
ては理解に苦しみます。

また、かかりつけの獣医師の先生が、ワクチンアレルギーの有無を尋ねて
下さっているのであれば、何を躊躇う必要があるのでしょうか?
急性アナフィラキシアーには対処方法がないと御考えなのでしょうか?
「急性」なので、ショックが起きたときに対処できるものがいないことが
問題なのです。危険な時間帯を対処できるものもところで休ませて貰って
いれば、よいのです。
このことについても100%の保証はできませんが、ワクチン接種した動
物病院の待ち合い室で、「少し休ませてから帰りたいので、休ませていた
だいてよろしいですか?」と、言えばよいのです。
アレルギーの有無を尋ねる先生が、よもや駄目と断ることはないはずです。
気が済むまで、納得できるまで、病院に入れば良いではないですか。

私の病院では、事情の許すかぎり、ワクチン接種後の動物は、目の届く範
囲に居てもらうようにしているという措置をとっているということです。
獣医師が自分の責任でワクチンを接種するということは、そこまでの意
味を含みます。
急性アナフィラキシーをもっていない犬である事が確認できれば、あと、
何を怖がる必要がるのですか?
本来の海外からの輸入にかかわるお話も、犬本人にとっては、かえって改
善ではないかと申し上げております。

ワクチンは圧倒的に多くの健康な犬にとっては、安全に接種することがで
きますし、それを強調する目的で、ワクチンによる急性アナフィラキシー
ショックがないなどと申したことはありません。
また、ごく少数の犬に対しても ワクチンを接種する獣医師の1人として
はできるかぎりの安全策を講じているつもりです。その上で、さらに危険
な因子を保有する犬の増加に抑制がかけられないかと考えているのであっ
て、このことを「暴言ではないか」指摘されたことは、極めて残念なこと
です。

前言で言葉失ってしまうといいながら、長い文章を書いていると思われる
かもしれませんが、これもまた事実です。
レス付けのあり方に疑問が生じましたので、御安心ください、当分、レス
付けはお休みします。

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