獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200502-102

Re:「おりもの」と「血尿」の区別の検査は?
投稿日 2005年2月11日(金)03時06分 投稿者 パールちゃん

イヌ掲示板で私にレスをくださったりえっちさんですよね?
違う掲示板になっちゃいますけどここでお礼を言わせてください。
ありがとうございました。

さて、ご相談の「おりもの」と「血尿」の区別をする検査については私は知識を持ち合わせていませんが、急ぎお伝えしておきたくて書きます。

昨夜亡くなったうちの犬がまさにそれと同じでした。
発情時の出血がいったん終わり、発情自体もほとんど完全に治まってからしばらく経ったとき、
陰部から赤黒いおりものが続きました。
子宮蓄膿症を疑ってまず抗生物質の投与をして様子を見ました。
注射による抗生剤はとてもよく効くのですが内服の抗生剤がほとんど効かない。
じゃもう1回注射をとなり、それも一時的にはよく効きましたがやはりそのあとまた血のおりものが続く・・・。
そうしている何日かのうちに見る見る全身状態が悪くなってしまいました。
血液検査による腎機能値はやや状態は悪いが基準値内でそれだけでは子宮蓄膿症と断定はできないとのこと。
どうしましょう、今の状態ではオペのリスクは高いけれど試験開腹を考えましょうかと言っていた翌日にはもう、この状態ではもう手術は無理というところまで急変してしまいました。
以降のことはイヌ掲示板に書いたとおりです。

子宮蓄膿症・子宮内膜炎はいったん治まっても次の発情で再発しやすい、量や色など目に見えるものとしてはおりものなのか血尿なのか区別しにくい、おりものとして大量に出るときはお尻から太もも、カカトまで血まみれになるほどの量を出す子もいる、しかし子宮内にたまってしまって外にまったくおりものを出さない子もいる、そして排尿時に腹圧がかかるときだけたまっているおりものが出たりもする、などなどのことを今回私は獣医さんから聞きました。
ですから、りえっちさんのわんちゃんは単なる血尿だとは思えません。
前回の発情時に子宮内膜炎をやっていること、今回の発情後にもその再発の兆候らしきおりものがあること、ごはんも食べず高熱があること、乳腺腫瘍ができていたということは子宮内膜も強く性ホルモンの影響を受けているだろうこと、それらを総合すると行き着く先は子宮卵巣全摘出が最も納得のいく結論だと思います。
もし仮に子宮からの出血じゃなく泌尿器系からの出血だとしても、
乳腺腫瘍と子宮内膜炎の既往歴がある子はなるべく早い時点で子宮卵巣全摘はしたほうがいいと思います。

開腹するかしないかの決断はなるべく早くに、開腹すると決めたらなるべく早くやる、そうでないと一日、いえ半日ズレただけで手遅れになりえる。我が家の犬の例に照らして、ぜひそれをお伝えしたかったのです。

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