獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200502-166

マルチレス
投稿日 2005年2月17日(木)13時27分 投稿者 プロキオン

2月15日の m&m’Sさんへ
私は腰骨は彎曲するのが自然とず〜っと思ってきたから、どうもうまく
説明できないのですが。
まず、背中側とお腹側では、内臓を守るために脊椎も腰椎もお腹側に曲
がるように造られています。背中を反らしての防御姿勢というのはない
ように思います。
体にかかった負重を支えるという場合にも四肢を踏ん張って背中を反ら
したのでは、いくらも歩けません。
走るとか駆けるとかいう行動の場合は、前足であれば前方に伸展した足
をお腹の下に引き付ける強い力が主体となります。後ろ足においては、
お腹の下に持ち込んだ足を基点として蹴り出しますが、これも後肢の接
地点が基点となって体が前方へ移動しているわけです。前足は前方から
掻きこみ、後ろ足は体を押し出しているということになります。
体を内側に彎曲させることによって大きな力をつくり出していることに
なるのではないでしょうか。
昔から、「お腹が巻上がってきた」というように表現されてきています
ので、私は不思議には感じていませんでしたが、あらためて「なぜ?」
と尋ねられるたのは、おもしくろ感じました。
あと、体から発生する熱量が少なくなったり寒いときには、体を丸めて
体表面の面積を小さくすると大気に奪われる熱量が少なくて済みます。
これも防御姿勢の1つと言えます。


2月16日の ゆずさんへ
子供の虐待もあるのなら、まず犬よりも、児童相談所に御連絡願います。
こちらが明白な事実として児童相談所が動けば、保健所も犬について動
いてくれるはずです。
児童の虐待については、隣家だからという理由で放置していたのでは、
後々臍を噛むことになりかねません。その家から離れた家の方から通報
があったのでは、むしろ、ゆずさんの立場がおかしくなりませんか?


2月16日の きのっぴさんへ
「すでに感染しているのなら、今から治療した方が良くはないか」との
御意見ですが、私もそれが正論だと思います。
治療の前に、まずは感染の有無の確認が先決です。その先生が検査して
くれないのであれば、それは他の病院というのも仕方ないでしょう。
おそらくたいした咳ではないと受け取られて、「5月にでも」というこ
となのでしょうが、治療するのであれば、5月になるのを待つ必要はあ
りません。


2月16日の ケンケンさんへ
6歳だから、遅すぎるということはありません。犬でも猫でも6歳とい
う年齢であれば免疫力というものは、下り坂に入っていきます。
ワクチンで守ってあげる必要性は、むしろ高くなっていると考えて下さ
い。


2月17日の あんママさんへ
文章では「てんかん」かどうか分かりません。「てんかん様の痙攣発作
」が見られたということになるのでしょう。
てんかんなのか、脳炎による発作なのか、識別可能な病院を受診する必
要がありそうです。
どちらにせよ、この発作が続くこと自体が問題ですので、発作を抑える
薬の投与は考えなくてはならないでしょう。


2月17日の misaさんへ
先日の「血腫」の犬ですね。ちょっとヘマトクリットの値が低すぎるよ
うに感じました。出血は「血尿」としてだけしか認められていないので
しょうか?
現在、実際に診療している主治医の先生がいらっしゃるわけであって、
極めて言及しにくいのですが。
とりあえず、私であれば、MCVとMCHCをあたってみて貧血の範囲
を狭めます。それと「抗核抗体」「クームス試験」も調べたいし、糖尿
病関連症候群としての血管の損傷の有無も知りたいところです。
つまり、血尿以外に隠れた基礎疾患があるのではないかと考えていると
いうことになります。まずは、これがなんであるかが問題であって、当
然主治医の先生も それくらいのことは考えているはずであって、他人
が余計な口をきくことがトラブルの元になりかねないので発言には注意
が必要ということなのです。
この点はとても大切なことでして、疾病相談を書き込む方は何か良い情
報をという気持ちからの相談なのですが、獣医師からすれば、普通の先
生が一般的に考えられるまっとうな診療をしていて治らないのであれば
、これは主治医もしくは飼い主が把握していない伝わっていない問題が
存在するからに他なりません。
これを実際に診療に参加していない者が、訳知り顔でコメントすれば、
まずは大抵の場合、見当違いのことを述べて恥をかくだけに終わります。
主治医の先生にしてみれば、その程度のことで治るのであれば、誰が苦
労するかと言いたいところでしょう。

セカンドオピニオンというのは、次に診察するものが、先に診療した者
よりも知識と技術が上にある、その疾病についてより専門性が高いこと
が前提にあります。
どんぐりの背比べの中にあっては、先の先生の方の診たてが正しく、後
の先生の方が見当違いをしてしまっている場合もあるでしょうし、極端
な話、賛同者が多い方の意見が正解とも言い難いものもあると考えられ
ます。
ちょっと、むずかしい症例であるのなら、獣医師同士での情報交換や相
談、そしてより専門性の高い獣医師に指導を仰ぐということがあっても
よいように思います。
飼い主さん自らが情報収集に走ってしまうと、先に申しましたように集
まってくる情報が正しいものとは限りません。理解力や判断力において
は、それこそ獣医師と同等のものが必要となります。
まずは把握できている現状の確認と説明、そして今後の治療方針を話し
合われて下さい。「何がわかっていないのか、どうしたら分かるのか」
が大事です。そこのところを考えている先生であれば、次にやるべきこ
とは理解されているはずです。





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