獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200505-83

Re:ステロイド
投稿日 2005年5月11日(水)02時20分 投稿者 パールちゃん

ナーシャのママさんへ。
漢方薬には副作用がない、そう思っている人が多いのですが、それは正しくありません。漢方薬、西洋薬、どんな薬にも正と副どちらもの作用があります。もともと漢方薬はひとりひとりの体質や症状を考慮し、どこまで改善したら良しとするかを吟味しながら処方されるものです。○○を飲めばどんな人にも効くというものではないし、体質によっては正の作用より副の作用のほうが強く出てしまうことがあります。私は個人的意見として、治験がされて適切な処方量と安全性がクリアになっている西洋薬のほうが未知の部分の多い漢方薬よりも信頼できます。
「薬漬けにはしたくありません」とのことですがそう思われるのはなぜでしょう。薬漬けと言ってしまうととてもよくないイメージですが、薬によってうまくコントロールしていると言えばまたイメージも変わります。原因がなかなか特定できないアレルギーやそれによる皮膚疾患は完治を望むことはむずかしいので一生ずっとそれと向き合っていかなければなりません。そして最も大切なのは、日々の苦痛をいかに軽くするかです。アレルギー性皮膚疾患の場合はかゆみをどう抑えてあげるかです。ステロイド服用でかゆみが軽減するなら効果は得られているという証拠で、あとはそれが副腎を痛めないためにはどのくらいの投薬期間・投薬量にするかという問題になります。そのサジ加減を見極めることはむずかしいことですが、目の前にかゆくて体をかきむしっている犬がいれば私なら迷わずその苦痛を早く消し去る方法を選びます。かゆみをどうコントロールするか、それに尽きます。
なお、外用(塗り薬)のステロイドは内服のステロイドよりずっと作用が強いので、よほどのことがないかぎり私はうちの犬に外用ステロイドは使いません。かきむしって患部の状態がひどいときに1回だけ塗る程度にしています。そして、そこまでかゆみがひどくならないようにするために内服のステロイドで、「起きているときはついつい掻いちゃうけど夜はかゆみで目が覚めることなくぐっすり眠れる程度」にかゆみを抑えています。

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