獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200507-45

猫の気持ち
投稿日 2005年7月5日(火)20時06分 投稿者 yoshiko

この4月に推定7−8才の病気の雄猫を保護し、先住犬との同居についてご相談させていただいた者です。その後、犬と猫の関係は未だあまり良くはありませんが、まあまあなんとかというところです。基本的には犬の方が弱気ですが、たまに強気に転じて吠え掛かったりすることもあり、基本的に猫は相手にしてませんが気にしていないはずはありません。そんなこんなで約2ヶ月半がたった先日の日曜日、猫は出て行き、あっという間に野良猫へと戻ってしまいました。

保護当初は鼻炎が酷くて腎臓の数値も悪く状態は最悪でした。まるで「助けて」と言わんばかりに猫の方から私にしがみついてきたため、家に連れて帰るのも病院に連れて行くのも何の苦労もなく出来た程です。それが病気が完治して腎臓の状態も改善し、体重も1キロ以上増えて去勢も無事終了する頃には、病院に連れて行くにも一騒動になるほど元気になりました。保護当初は外を眺めては「アオーン」と鳴いていましたが、去勢したからなのか外への興味をなくした(あきらめた)からなのか、最近はほとんど部屋の中でナガナガ〜っとなって寝ていたので、私は当初の警戒モード(完全室内飼のために逃げられないようにする)をすっかり忘れていた矢先の出来事でした。自分でも魔が差したとした考えられないのですが、玄関のドアを開放したまま数分間電気工事の方と立ち話。猫にしてみれば、積極的に逃げるつもりはなかったにせよ、見慣れるない人を嫌って移動した先に外の世界への扉が開いていた状態ですから、出て行くのは当たり前ですね。

家出に気づいた数時間後に近所の路地で姿を見つけることが出来ましたが、やさしく声を掛けたつもりがシャー!と威嚇されて、あっと言う間に逃げられてしまいました。家で甘えていた時とあまりに違うその姿は正直いってショックでした。すごく甘えるようになってたけど、2ヶ月程度同居したくらいじゃ本当に好かれていた訳じゃないんだ、きっと外の生活の方が好きなんだ。そういえば、嫌がるのを無理やりバッグに入れて病院へ行ったりもしたし、犬も時に吼えてウザイ存在だったろうし。「あのコにとっては野良でいる方が幸せなんだ!」と、一時は真剣にもう探すのはやめようと思ったくらいです。

それでも夕方から降り出した雨がひどくなるにつれ心配で心配で。「猫・家出」をキーワードにしてネット上を彷徨い、猫飼い先輩方の体験談や家出猫捜索の方法といった情報に出会えました。おかげで、どうやら、出て行って数時間という段階で手ぶらでただ声を掛けるだけで猫の方から近寄ってきてくれるなどと期待した自分がバカだった、「迷子になった犬が飼い主に出会えて喜ぶ」ような図式はあり得ないらしいということが判りました。なにしろ、生まれて初めての猫飼い経験。猫という動物を知らなさ過ぎだったことを自覚しました。

猫は翌日の月曜日のやっと雨が止んだ夜9時頃に「体を触られるのはいや、近づいてもダメ、でもご飯ちょーだい」という態度で、私の家の玄関先に戻ってきました。態度はすっかり野良猫。家の中では見たことも無い警戒感と俊敏な動きです。でも結局、空腹には勝てなかったようで、エサに釣られて玄関から少し家の中に体が入ったところで、私がドアを閉める方が一瞬早く、無事「お帰りなさい〜」となりました。ドアを閉められた時はまたまたシャーっとお怒りでしたが、その後普段の3倍くらいご飯を食べ、いつも好きだったブラシで体を梳いてやると、30分もしないうちにまた元の家猫状態に戻りました。この変わり身の早さにもちょっとビックリでした。

以上長文にお付き合いいただきましたのは、結局初心者猫飼いの私の悩みは完全に晴れたわけではなく、皆様から何かアドバイスをいただけないかと思ったためです。
今は再び家の中で寛いでいるようにも見えますが、ウザイ先住犬のいる我が家より、本当はやはり外の世界に戻りたいと彼は思っているんでしょうか?

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