獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200604-156

re: マイボーム線種
投稿日 2006年4月19日(水)11時56分 投稿者 プロキオン

主として涙の中の油脂の成分を分泌しているのが、マイボーム腺です。このマイボーム
腺に炎症が起きて腫れるから、「マイボーム腺腫」なのです。
名称はまぎらわしいかもしれませんが、腫瘍ではなく、炎症です。人間にもよくあるの
で経験されている方は多いはずです。

初期であれば、点眼薬かこのためのピンセットがあって、簡単に治りますよ。
この段階をすぎてしまったものであれば、切除してしまうのが一番早いでしょう。最大
直径が1cm程度であれば、なんとかV 字切開でいけるのではないかと思います。

瞼の眼瞼縁が一部無くなるわけなのですが、これによって瞼が小さくなることを心配さ
れているわけですよね。
そうならないように(不自然にならないように)遠方からの切開線を設定するのが、こ
の種のオペの腕の見せ所と言えます。
また、そうでなくても、縫合した眼瞼縁も比較的早期にもとの長さに戻ってくれますの
で、心配されているようなことにはならないはずです。

麻酔についてであれば、眼科用の外科ピンセットの処置であれば、慣れた先生であれば、点眼麻酔程度でも実施可能かと思いますが、切除ということであれば、これはやはり全
身麻酔は必要です。
マイボーム腺腫で一番問題となるのは、飼い主さんが切除を躊躇って、これを大きくし
てしまうことです。大きくなったマイボーム腺は、角膜に触れるようになって、常にこ
れを刺激して二次的な障害を誘発するようになりますし、又、切除もかなり技術的に難
しくなります。

私は、マイボーム腺腫については、早期の処置を勧める意見の持ち主なのですが、大き
くなりすぎた症例については、引き受けることができません。専門とされる先生にお願
いするしかないと思います。
先送りすることが利点となることは、まずないでしょう。

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