獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200605-315

Big1先生、??獣医先生へ
投稿日 2006年5月29日(月)02時52分 投稿者 山下 貴史

??獣医先生、こんにちは。一応…臨床歴10年、開業7年と後輩の山下です。Big1先生こんにちはです。あんまり敵意むき出しに読まないでくださいねぇ。普通にディスカッションしましょう。ここを見ている一般の方にも分かりやすく…となると長文になっちゃいます、すみません。

まず、自分にとって簡単だからと言って、それをグローバル・スタンダードのように話すのはいかがなものでしょうか?確かに最近は、両先生方のおっしゃるよりも「狭い」適応範囲ではありますが(前の投稿にも書きました)、外科処置も適応かも?と「提案」されてきていたりします。しかし、このような掲示板はあくまでも「まずは一般的な治療について」書く場ではないのでしょうか?個人の思いを書いてしまえば、少なくとも僕ら以上の獣医師は十分な共通の大学での小動物臨床教育を受けていませんから、好き勝手言えばバラバラですよ?公平な目で見た場合の処置を獣医師は書くべきではないでしょうか?その上で「フィラリア症治療のメインは『一般には』内科だけど、『個人的には』外科もやるよ」と書くものかなぁと思っておりました。
それとも、ここ数年の論文レベル(症例発表ではなくて)で「軽度のフィラリア症に対してでも、メラルソミンやマクロライド系の成虫駆除よりも外科処置が有効かつ安全性の高い治療法である」というエビデンスが出てきているのでしょうか?そうだとすれば、僕の勉強不足です。ぜひ教えてください。僕の知っている限りでは、メラルソミンの使用法の変法や、マクロライド系フィラリア症予防薬連続投与による駆虫(成虫・ミクロフィラリア)法が示されて、さらには「寄生数が少なくて非活動的なわんちゃんの場合は、どの成虫駆除も疑問視」という話も出ている中で、一般のフィラリア症治療に対して外科からここに書くことは躊躇されます。外科で全症例で100%摘出なわけではないですし…(腱索へのコイルラウンドとかは深追いできませんよね?それに先生方は成虫になって間もない肺動脈細血管内寄生の成虫も釣りだせるのでしょうか?100%釣り出せないなら、その後結局成虫駆除ですよね?もちろん100%釣り出せる場合もあることは知っていますよぉ)。
もしくは、両先生方の地域ではほとんどの獣医師がフレキシブルアリゲータ鉗子を用いた外科処置を「スタンダード」としていて、一般獣医師の平均的処置となっているのでしょうか?

僕には、「通過可能と思われるビー球」を飲んだわんちゃんに対して、「開腹手術が最も安全かつ有効な処置」と言っているように聞こえてしまうのです。「なぜ、通過可能と思われてもビー玉飲んだら外科したほうが有効かつ安全(まぁ確かにそのとおりですが、万が一が少ないですから)って書かないんだ!」ってのと同じ風に聞こえます(極端に言えばですよぉ?鉛玉ならオペです)。

でも、??獣医先生のところに限らず、通常のフィラリア症対して釣り出しを受けた患者さんは十分なインフォームドコンセントを受けていらっしゃるはずですよね?一般的な治療選択肢を提案して、一般レベルでの利点欠点、先生ご自身の経験の話(先生ご自身の中のエビデンスですよね、CDCやAHSだけがエビデンスではないですよね)など。それらに基づいて選択決定されていれば、その患者さんはなんら不安に思うことはないと思いますよ。だってその時点で、教科書レベルの話は十分なされていて、選んだのですから。

ちなみに、年に3人のわんちゃんのフィラリア陽性犬で田舎とは言えないと思いますよ?うちは郊外って感じでそんな田舎ではないところにある(と思ってます(笑))、獣医師が僕一人のちいさな動物病院ですが、毎年片手以上の新しいフィラリア症患者さんと、平均すると毎年1人以上のVCSの患者さんがいらっしゃいます。知人の先生は、年間に数人のVCSを処置されていますが、田舎とは呼べない場所で診療されている先生です。これまた、ディスカッションに必要ないお話でしたら失礼いたしました。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:ホームドクター・専門診療・救急:神奈川最大級のプリモ動物病院グループ様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。