獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200606-129

レス、2題
投稿日 2006年6月9日(金)11時16分 投稿者 プロキオン

6月8日の 福雪さんへ
ハムスターの頬が腫れてきて膿瘍とありますが、頬袋の膿瘍は否定されていると考えて
よろしいのですよね。
左目が圧迫されて飛び出してきてとか、左目からも膿が出てという表記がありますので
そのまま受け取ると、左上顎の歯根に炎症があるというように受け取れました。私自身
は上顎における経験は犬や猫でしかないんです。まずは、下顎の問題とばかり考えてお
りましたもので。
本来、まだ被包化されていなければ、抗生物質もけっこう効いてくれるのですが、膿瘍
壁ができてしまっていると、薬剤はなかなか患部に到達してくれません。それだけ治療
効果は落ちることになります。膿瘍をまるごと切除してしまうことが可能であれば、そ
れがもっともよいのですが、小さな患者であるだけに容易ではありません。
「切皮排膿」をお考えのようですが、私も事情が許すのであれば、それも1つの手段だ
と思います。おそらく近々に再発する可能性が残りますが、それでも排膿させて内部を
洗浄消毒できれば、それだけ負担を減らすことに繋がるのではないかと考えます。
( 体力が衰えていれば、かえって負担になるかもしれませんが。 )
膿汁が乾酪化してしまっていると搾り出すというわけにはいかないので、切開創を大き
くとらなくてはならないかもしれません。おそらく、患者自身と対話しながらの治療方
針の決定という形にならざるをえないのではと考えます。
その上での方針ということであれば、これは私なんかが口を挟むことではないというこ
とになると思います。


6月8日の ドリーさんへ
セキセイインコのメガバクテリア症ですか、私は小鳥の本等に記載されていることとは
異なる考えなんですよ。
簡単に言いますと、メガバクテリアが原因ではなく、他に要因があって、その結果メガ
バクテリアが増殖するのではないかと考えているのです。むろん、メガバクテリアが跋
扈していてよいというのではありませんから、これを叩く必要性はあると考えています
が、それだけで全てが解決するというのでもないのではないかと。
1つにはメガバクテリアの寄生率が高すぎて、病鳥とそうでない鳥との差がどこにある
のかという点と、治療に反応しているのにもかかわらず、落鳥に至る患者がそこそこ存
在する点です。
私は治療薬が強い薬であると考えておりますので、ただ、漫然と投薬してよいのかとい
つも疑問に思います。むろん、メガバクテリアが検出されなくなったが直ちに「陰性」
と考えることには反対なのですが、それでも「いつ」投与を中止するかを迷うのです。
腸内細菌叢だって、相当にくずれてしまっているはずなのです。
治療をしていて、全体情況が改善されて回復していく鳥もいれば、メガバクテリアの増
殖にストップがかかっているのに落鳥していく鳥もいる。その差として何があるのかが
つかめていないのです。(少なくとも、私には)
成書では、こういう薬を使うぐらいにしか記載されていませんが、どうも、それだけで
は何かが足りていないように思うのです。病気のステージが進行していたのだとか、お
前の腕がそもそも足りていないと言われてしまえば、それまでのことなのですが、やは
り、どうしても何かが欠けているという気がするのです。
私見をのべただけであって、治療の参考にはならないと思いますが、ドリーさんのよう
な例は少なからず存在するのだと思います。メガバクテリア症の本態は何なのだろうと
いつも思います。

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