獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200608-90

>よしくんへ
投稿日 2006年8月13日(日)15時43分 投稿者 プロキオン

まず、最初に断っておかなくてはならないのですが、私のレスは最初の投稿に基づいて
いるものであって、本当に夏風邪なのか、肺炎なのかとは、全然違っている可能性があ
あります。

夏風邪とは、肺炎とはなんなのでしょうか? この定義が共通の認識となっていないと
なりませんが、とりあえず、肺におかしな音が聞こえるというのが、気になったっから
からです。
普通、肺で聴取される音といえば「呼吸音」であって、これを「おかしな音」とは表現
しないでしょう。であれば、本来聞こえない音ということであれば、気管支に何かある
例えば滲出物とか、あるいは肺胞に滲出物や貯留物があって、発生している音ではない
かという心配があるわけです。
滲出物があるということであれば、それは炎症に由来しているのではないかといことが
最初に考えられなくてはなりませんし、貯留物であれば、炎症と循環器を考えます。
そのような過程において、実際に診療しているものが、「夏風邪」と表現していれば、
肺に波及しているのではないかと心配するのは、ものの流れともいえます。

(普通、上部気道だけの炎症であれば、肺の異常音までには及ばないでしょうし、その
音が片側ということであれば、音源は肺の中ということになりますので、それ、すなわ
ち肺の異常と解釈されますので)

また、室温についてであれば、新聞や雑誌の健康欄にとりあげられている「夏風邪にご
用心」の類の記事を目にしていただければ分かると思いますが、一番の原因としてあげ
られるのがクーラーの長時間の使用であり、とくに夜間の冷房です。
体の冷やしすぎ、体温調節機構の鈍化とも言えます。冬季のハムスターの擬似冬眠の際
にも5度以下で注意と言われますが、これも絶対的な温度ではなく、相対的な温度であ
って、寒暖の差が大きい時にこそ危険なのです。これと同様に、何度以下に冷やせば大
丈夫というのではなく、体温調節の効かない部分、あるいは、その負担をいくぶんなり
とも軽減してあげることに意味があるのであって、常時、機械任せにすることがウサギ
にとって望ましいことであるとも言えないわけなのです。

おそらく冷房病で体調に変調をきたしたのではないかなと想像しますが、肺の音という
のは気がかりですね。

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