獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200609-127

彩さんとX先生とsutemaru先生および皆様へ〜避妊手術関連〜
投稿日 2006年9月8日(金)11時28分 投稿者 山下 貴史

なんかむかしのB'zの歌のタイトル並みに長いタイトルですみません(X先生にはぜひ読んで欲しかったので)。sutemaru先生のおっしゃることを受けて、僕の足らなかった部分を補うとともに彩さんの「結局どうなんだよ!?」に対しての僕なりのコメントとさせていただきます。

<彩さんへ>
手技で言えば、卵巣のみ取っても、卵巣と子宮を取っても、構わないです。ちなみに卵巣だけ取っても子宮は萎縮してしまいますので、後々の問題にはなりません。卵巣の取り残しがあれば、どちらの方法でも子宮疾患が起こりますが、これはかかりつけの先生を信頼するしかありません。卵巣再生に関しては、極めて稀です(これを補足したかった)。これを理由に避妊しても意味がないとはなりません。
後は、その先生を信じて「卵巣」のみでよしと考えるのか、あくまでも「全摘」にこだわるかは・・・自由と思います。もちろん、かかりつけの先生へ相談してみて、先生の姿勢もあると思いますが、どちらでも問題がないと分かった今、もしかかりつけの先生に手術していただくならば、(僕ならば)やりなれた手技で安全な方法をとらせて欲しいかナァと思います。

<X先生へ>
昨日の夜、今までのX先生の発言を全て見直してみました。先生の何が獣医師からも御家族からも理解を得なかったのか・・・勝手に考えました。(真意は、今後も先生にご発言いただきたいからです。いろいろな意見があっていいはずですから。)
実際、今回の問題点である「卵巣か卵巣+子宮か」に対しての答えは的を得ているのです。全然おかしくなんかないんです。おそらく某獣医師用サイトなども含めて調べて書いていらっしゃるのでしょう。文章を細かく読むと、正解がたくさんなんです。
じゃぁ、何がここまでの反感を??ということになりますと・・・
1)まず、私見と文献の差が分かりづらい・・・おそらく言いたいことは「文献ではどっちでも変わらない」「X先生の頭の中では卵巣だけでも良いようにも思える」「でも実際は卵巣も子宮も取っている」ということだと思うのですが、その話があっちこっち行っちゃって、非常に分かりづらい。
2)それと、ちょっと患者さんの上に立ってしまっているのかな?(もっと言えば親が子を見るかのように見下しているとか、患者さんの気持ちまでX先生が決め付けているとか・・・)もしかしたら、それは気を遣っている(オレが決めてあげなければ!的に)のかもしれませんし、すでに地域でかなりの信頼を得ていて「あの先生が言うなら間違いない!」という先生なのかもしれませんし、単に今まで問題なかっただけかもしれませんし・・・。
しかし、この掲示板はインフォームドコンセントなどを大切にして、できるだけよい診療を二人三脚で受けたいと思って集まっている方たちの率が多い場だと思うのです。オカミの一言にゆだねる診療は、もう昔のことですよね?
3)どうでもいいことにこだわりすぎ?例えば、避妊するための理由なんてのは、もう人それぞれだと思うんですね。今回の女の子のネコさんなら「発情がイヤだ」「子供ができたら困る」「発情時におしっこをいろんなところにしちゃうから」「本に載ってたから」「みんなやってるから」「病気を予防したいから」・・・きっかけはなんでも良いと思いませんか?なぜそこまで、こだわっていらっしゃるのでしょうか?もしよろしければ聞かせてください。

獣医師は「自分が正解」などと思ってはいけませんよね?常に自分を疑いつつ、見直していかなきゃ。なんて、思いました。

とはいえ、実際まだ多くの動物病院は、何をするかも告げられないまま、場合によっては奥の部屋へ連れて行かれて何かをやって「じゃぁ、また来週来てね」ってところや、客観的事実とかご家族の気持ちよりも「獣医師の気持ち」が優先されて、「素人には分からないんだから」というところも多々あると思います。X先生はそこまでではないのですが、そういうところもあると言うことを考えればX先生のおっしゃることもまた事実なのですよね。実際の毎日の診療ではX先生を慕って、任せているたくさんの患者さん&ご家族がいらっしゃるはずですもの!!なので、自分たちと話がかみ合わないからといって、もう論議したくない!となることは非常に悲しいことだと思いましたし、X先生にはぜひ今後もご発言いただきたいと思いました。(その前に柔軟な発想に切り替えなきゃかもですね)

<sutemaru先生へ>
おっしゃることは大体理解させていただいたのですが・・・

>でも再生卵胞、卵巣細胞、卵巣(類似組織)と言うものが出来たら、手術の意味が無くなる・・・

・・・だけ、他の方が誤解されるといけないので。
猫に関しては発情回帰というのは、実際思っている以上にあるようです。それが、再生卵巣によるものか?手術失宜なのか?鉗子等による移植なのか?はたまたまったく違うものなのか?は分かっていないはずですし、それぞれありえてよいと思います。しかし、失宜を除けばその発生率は稀と思われ、卵巣組織以外からの卵巣組織の再生が真実としても避妊手術の意味は十分にあると思います。一応、先生は分かっていらっしゃると思いましたが、付けたし程度で・・・。

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