「なぜか」といえば、イヌが成熟に伴って、群内の力関係を試しているからです。この場合、イヌは、ネコをイヌと思っている、のです。

　対処は特に必要ないと思います。むろん、潜在的には、イヌの殺傷能力は高いのでネコが殺される”可能性”はあります。しかし、そのためには何段階もの不幸や飼い主の見逃しが必要になりますから、おすぎさんのようにきちんと観察しておられるのなら、ましてや成猫であれば、実際には無視してよいでしょう。そんなこと気にするぐらいならその分の注意力を他のリスクに対して振り分けるほうが妥当ですから。
※ただしご愛犬が、一部のテリア系などの特別なキャラクターの場合は別です。

ネコは嫌ならいつでも逃げられますし、振り返って反撃し、イヌの攻撃を物理的にやめさせることもできます。嫌そうに鳴いているのは喜んでいると解釈して結構です。幼いため、あるいは死期が近いために運動能力が不十分なネコに対してであればともかく、そうでないなら干渉は無用です。
むしろ、やめさせようと叱ることのほうがよろしくありません。おすぎさんの「叱る」威力をどんどんと減じることになるだけです。それよりは、いずれしつこくしすぎてネコのおじさんにこっぴどく叱られてイヌがおとなになるのを待つほうが良いでしょう。