歯石除去を、動物にも獣医師にも、安全に行なうには残念ながら全身麻酔が必要です。
口の中を動かずに、じっと触らしてくれることはないでしょうから。

また、今後の麻酔のリスクを考えますと、やはり早めに除去するのがいいでしょう。

先月の別の方にもお答えしましたが、人の心筋梗塞の原因の中には、歯周病菌も含まれるそうです。
また、実際に、５歳前後で腎不全を発症し、死の転帰をたどった犬はとても酷い歯周病を持っていました。
こういったリスクを抱えながら生活するよりも、麻酔のリスクの方が低いと思われる今の年齢に受けるという考え方もありますよ。
どうしても、不安を拭えないなら、主治医に麻酔の手順などを聞いてみると、安心材料が増えるかもしれません。

また、本当にどうしても麻酔をかけることに抵抗があるのであれば、「スケーラー」という歯石除去器具を通販などで購入し
ご自分でなさってみてはいかがでしょうか。
ただし、この場合、歯の表面を傷つけても、ポリッシングという最後の磨きを行なわないので
歯石の付きやすい状況を作り出していることを、了承してください。
ですから、今以上に歯磨きなどを徹底する必要があるでしょう。