獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200609-97

あらためて、避妊手術について
投稿日 2006年9月7日(木)00時58分 投稿者 X

不妊手術方法に対して、
1種類しかないと思ってらっしゃる方も少なくはないでしょうから、
全ての飼い主さんに「説明と選択」を提示して欲しい....納得です。
そこで、あらためて
不妊(避妊)手術方法について...
これには、卵巣のみの摘出術と卵巣・子宮摘出術があります。
両者の差は特にありません。卵巣さえとりきれれば
子宮をとる必要はないのですが、卵巣のみの手術では
その取り残しの危険が高まりますので、
当院では卵巣・子宮摘出術を選択しています。なお、
卵巣のみの摘出術においても原則として残す子宮等の様子を観るので
傷の大きさは卵巣・子宮摘出術と変わりません。ただ、
卵巣・子宮摘出術の方が切除部分が少し多くなるのでその分、
出血などの危険性は高まります。
どちらを選択されますか? なお、
不妊(避妊)手術とありますが、その第一目的は
不妊(避妊)ではありません。それだけを目的とするなら
発情期の間隔離するなど方法があります、なにも手術する必要はありません。
不妊(避妊)手術の第一目的は発情及びそれにともなう精神的・肉体的ストレスの
解消並びに卵巣・子宮の疾病予防です。
(ホルモン療法で発情抑制もできますが、お勧めできませんー理由は割愛)。
なお、摘出したものはご覧になりますか?
....こんなところでどうでしょう?

あと、実は
避妊・去勢手術をする場合、
術前にも摘出する臓器などの説明は特にしていませんでした。
理由は避妊手術とは卵巣・子宮摘出であるというのは周知のもと思っていたからです。
去勢も同じ....。すでに知られているであろうと思うことについて
とりたてて説明することもないように思っていました、それに
当方では卵巣・子宮摘出していたので...が改めます。
(へ理屈のようですが、卵巣・子宮の病気を心配されている方は
 いわゆる避妊手術がどういうものかはご存知のことと思われます。
 また、そういうことに無関心な方にとってはなにをどうするかは
 関心ごとではないような...。)

それと、「卵巣のみ」「子宮・卵巣両方」...「卵巣のみ」の方が
厳密にいえば難しいと思うので「卵巣のみ」ができれば、
「子宮・卵巣両方」もできると思います。しかし、言いにくいことですが、
「卵巣のみ」の方が簡単と思われているなら....
ちょっと???です、はっきりいえません。
それと、「そっちのがスタンダードみたいだし、子宮の病気が怖いから」という理由は
ちょっと・・私としては勘弁願いたいですね。理由は両方とも根拠がないものだから。
となると理由は....ただ「子宮・卵巣両方」の方がなんとなく安心だから・・でも、
いいように思います...だめでしょうか? 
優しい?先生ならむげに拒否などしないと思います。
また、卵巣が復活することがあります...特に猫の場合。これは、
「子宮・卵巣両方」でも起こりえます。また、それにより子宮への影響がでる場合は
たとえ子宮を取っていたとしてもその断端部に病気として出ます(ただし、
猫の場合はそういう事は少ないです、ただ発情が繰り返されるだけです...
だけというのは語弊がありますね...第一目的が発情抑制なので)。

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