獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200708-120

Re:犬のワクチン
投稿日 2007年8月22日(水)10時15分 投稿者 プロキオン

これは、厳密に言えば、1頭1頭で違ってくるんです。母犬からどのくらいの量の免疫を貰ってきていて、各々の疾病の抗体の半減期がどのくらいで、それが何時ワクチンブレイクを起こさずに免疫を付与できるかという判断が必要なんです。
しかし、それを1頭ごとに個々の抗体価を測っていくということも、できかねてしまうので、世間一般の母犬であれば、この程度の免疫抗体を持っているであろうから、抗体が現減少してワクチンブレイクを起こさずにすみそうな時期を、おおむねこのくらいとして接種時期を推奨しているということになります。
それが、大体生後2ヶ月と3ヶ月ということになります。ただし、犬パルボウイルスについては、ジステンパー等よりも抗体半減期が長いので、この時期でもワクチンブレイクは起こりえます。そこで、パルボについてであれば、さらにこの後にも接種が必要となります。

しかし、時としては、母犬の抗体価が異様に低かったり(ワクチンを定期的に接種されていない、栄養状態に問題があった等)、子犬が母犬からの初乳を充分にあたえられていなかったりすれば、通常の場合よりもかなり早期に子犬にワクチンを接種を開始しなくてはならなくなります。
また、これとは逆に子犬の飼い主さんが、のんびりと構えていて、すでに生後半年を過ぎてしまったというようなケースであれば、何回もワクチンを接種する必要性はあまりないとも考えられます。

お書きになられている内容であれば、私ならさらにパルボのワクチンの接種をお勧めします。

犬パルボワクチンの接種時期については、メーカーの抗体付与率の報告がいろいろありますが、被験者側の子犬の抗体価が事前に測定されていなかったり、子犬の中に生後4ヶ月を超えるものが混じっていたりということがあります。
抗体価は幾何平均値でだされますから、「充分な効果あり」の結果を出そうとすると操作がはいってしまうこともありえます。
ワクチンも犬の特別な例を考えるのではなく、ごく普通の平均的な事例で考え接種していくことになるのではないでしょうか。

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