獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200710-100

Re:Re:Re:Re:Re:安楽死についての質問です。
投稿日 2007年10月14日(日)11時41分 投稿者 プロキオン

>どっちかというと、プロキオンさんは動物の安楽死については反対なのですか?

私が反対か賛成かは、あまり意味がありません。どんどんやりさないと勧めるべきことでもありませんし、反対してもやる人はやります。欧米では頭上に頂く神様が異なりますから、治療の一環として選択されることも普通にあります。
ただ、実際の対象が相談している本人ではなく、飼育されている動物であること。そして、採用される方法にあまり配慮が感じられない点が気になっています。すなわち「安楽死」足りえているのことの方が少ないように考えています。

獣医師広報板が開設されて、少しくらいたった頃にこの掲示板で、安楽死するべきかどうかという相談がありました。
私は単純に止めました。まだ、やれることがあるうちは早いだろうという理由からです。
でも、他の意見もありました。結果、掲示板では報告されませんでしたが、飼い主さんが選んだのは安楽死でした。
安楽死が実施された後、私が読んでみても、かなりの長文メールが届きました。そこには「話が違うではないか、犬は恐怖と苦痛でとても苦しみました」という趣旨で後悔と悲嘆にくれていることが切々と記載されていました。
私は、メールの宛先が違うのではないかと思ったのですが、よくよく見ると、私にはカーボンコピーで送信されてきていたのでした。おそらく、送信者は意見を寄せた者みんなに送信してきたのだと思います。安楽死という言葉とは裏腹に こういう事が起きているのだと伝えてきたのです。たぶん、「証人」になってほしかったのではないかと受け取っています。
安楽死が選択される前であれば、「ちょっと待って、それで後悔しませんか?」は言うことができますが、実施されてしまった後では、何をどういってもどうしようもないことです。事が終わってから、何を相談することがあるのかが分かりかねます。

また、事前に相談があった場合でも、この「安楽死」というテーマでは議論が荒れます。
賛成と反対との論点が咬み合うことの方が稀と言えます。
私自身も不毛な議論が続くくらいにしか思えなくなっています。安楽死を実施したことがある者の中で、賛成と反対との意見を静かに交換するのでなければ、ただの喧嘩で終わってしまいかねないように考えています。
( 安楽死を選択した者のすべてが後悔しているとも考えておりません。いつどのように実施するかによっては、飼い主と動物の双方にとって救いとなりえる場面もあるからです。 )
私が「安楽死」を依頼されたとして、飼い主と動物の双方にとって納得できる場合でない限り、お断りします。大抵の場合は、ムッとされて帰られますが、中には「俺は客だぞ。」怒り出す方もいました。そのために飼い主さんと喧嘩になったこともあります。
客観的に選択せざるを得ないケースということになれば、これは飼い主さん以上に動物に気を使います。大抵は意識がすでにありませんが、あろうがなかろうが、手順は踏んでいきます。見苦しい様にならないように気を使います。
飼い主さんがホッと安堵されて、動物も苦しまずにすむのでなければ、実施する意味がありません。ですが、たとえ、そのように運べても、対象となって動物の命を縮めてしまったということには違いはありません。それがどういうことかお分かりいただけますでしょうか? 獣医師だって好き好んでやっているわけではありません、血の通った人間です、陰では泣いているんですよ。
「おたんこナース」で患者に医師やナースが関わりあうように、動物にも獣医師が関わります。飼い主さんの考えは尊重しますが、決して飼い主さん1人だけの問題で終わらないであろうと考えます。私としては、後から悔やむことがないようにあって欲しいですね。

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