獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200901-3

Re:3歳の子供が喘息。猫3匹完全室内暮らしです。どうしたら
投稿日 2009年1月4日(日)14時06分 投稿者 チーママ

ただのウサ飼いですが。
家族や身内に喘息持ちが多く、動物も飼っていますので。

正直、なかなかお返事がつきにくいことだと思います。
一番良いのは猫との隔離ですが、それ以外の次善の策というと、なかなか決定打はありません。今はまだひどく咳き込む程度で済んでいるようですが、本当の発作を起こすと呼吸困難になり、ひどい場合は胸郭の変形も起こることがあります。もちろん病院への駆け込みも頻繁になり、親子ともども疲れ果ててしまいます。小児喘息の場合は、男の子は起こしにくいが、起こすとなると症状が重くなるとも聞いています。
私も経験があるのですが、セキが続くと大変疲れ、夜間(特に明け方4時前後からがひどいのでは?)にセキが続くと良く眠ることも出来ずに、体力をますます消耗します。
経験したものの思いとしては「一度でいい。深呼吸したい!」と思うようになるくらい、浅い呼吸しか出来ず(息が吸えないのです)、つらいものです。常に疲れた状態になり、気力も減退します。
育ち盛りのお子さんの場合は、成長にも影響するでしょうし、精神発達的にもよろしくないかと思います。今一番大事なのは、そのような大発作にならないように、症状を今の程度以下に抑えることかと思います。

ご家庭の状況としては、フローリングにカーペットなし、空気清浄機にまめな掃除と要点は抑えています。あとは、子供さんが猫を触らないこと。猫さんにも近寄らせないこと。カーテンははずすこと。ソファーに猫さんが乗るようなら、布製はやめること。つまり布製品は一切排除です。
また寝室は猫さん排除のように、発作が起こったときに逃げ込める部屋は重要です。
(あまりひどい時は、試しに外へ出て見てください。冷たい空気より、アレルゲンのない空気の方がマシ。暖かくしてマスクをして、しばらく出てみてくださいな。)
それでも一日同じ環境にいると、良くはならず、これ以上ひどくならなければラッキーと言う程度かと思います。

猫さんが3匹いて、仲が良いようなら、別段2階のお部屋でも猫さん的には問題はありませんよ。もともと犬さんと違って、猫さんは単独行動の動物ですから、四六時中かまわなくても大丈夫ですし、案外落ち着く事もあるようです。
また「そのソファに乗っちゃダメ。〇〇ちゃんに近づいちゃダメ」と、あれこれ規制をかけるストレスを考えたら、マイペースで過ごせる方が猫さんは楽です。
人寂しいと心配するなら、みみさんが猫と一緒用の服を着て、日に1時間ほどたっぷりかまってあげることです。(猫さんを抱いた服で、お子さんに触れてはいけませんよ)

これはあくまでも我が家の例ですが。
我が家の孫が去年(1歳)、犬さんになめられて大変なアレルギーを引き起こしました。幸い呼吸器系ではなく皮膚反応でしたが、顔中腫れ上がりました。以来犬さんをなでるだけで、目や口が腫れる。犬がいる家に入るだけで、飼い主に抱っこされただけでもアレルギーが起きる。それで犬さんには決して近づかないようにして、一年たちました。
このお正月、また犬さんと一緒になりました。親である息子が「いつまでもアレルギーが怖いからと触れないでいるのはいけない」と言うことでしたので、試しになでさせてみました。この犬たちは大変手入れがされており、匂いもなく、いつもさらさらの毛並みです。結果大丈夫でした(^^) もっともこれが生活を共にするとなると、どこかでアレルギー反応が起きるかもしれませんし、その時はもっとひどくなるでしょうが、だんだんと触れ合うことで感減作用を期待しています。
また長年「猫アレルギー」と言っていた身内。犬を飼って数年。喘息のアレルゲンテストをしたら、猫は0で、犬がアレルゲンだった。と言う話もあります。アレルギー体質の人は、どうしても長時間一緒に生活することで、それがアレルゲンになってしまうようです。

みみさんの子供さんも、まだアレルギー反応を起こして間もないですから、今のうちに一度完全隔離して、症状が治まってから一定の期間をおいて、再度徐々に慣らすという方法もあるかと思います。
そうなると当然行動範囲の大きい人間を優先と言うことで、一時期猫さんを2階に上げるという方法が一番かと思います。連絡通路の階段上り口か降り口には空気清浄機を置いて、2階の空気がそのまま移動しないように。
動物がかわいいのは、私も同じです。大人ばかりの我が家では、ウサギたちと鳥たちが最優先にもなっているくらいです。
でもこれは人間が元気でいるから出来ることなのです。
万が一お子さんが重度の小児喘息になり、入退院を繰り返すようになると、猫さんたちのお世話どころじゃなくなります。当然体調不良の見逃しになったり、病気になってもその時お子さんが入院騒ぎなどでは、獣医さんにも連れて行けなくなります。
結局双方がかわいそうなことになり、みみさん自身が後悔てんこ盛りと言う事もありえるのです。

今大事なのは、何とか一緒に同じスペースで暮らす方法を探す事より、お子さんのアレルギーを鎮めることと、猫さんたちのストレスをなくすこと。
みんながそこそこの健康を維持して、みみさんがみんなの健康管理が出来ることです。
捨て猫を見て心痛める気持ちも分かりますが、世界中の捨て猫さんを救うことは出来ないのです。今みみさんの手の中にある命を、大事にするだけでも、それは大変なことなのです。ご自分で保護できなくとも、保護できる人に連絡したり、協力網を構築したり、猫さんの搬送は出来るのです。
人一人の力の限界や容量を見間違えると、よくある多頭飼いの崩壊という事態にもなります。ご自分の力を見極め、確実に出来ること(家族と今いる動物家族を死守すること)を全うすることが何より大事だと思いますよ。

みみさんの望むような良いアドバイスが出来ずに申し訳ありませんが、お返事がつきにくい問題でしたので、せめてもの気持ちで書き込みました。
どうかお子さんの健康が回復し、猫さんたちが幸せな生活を続けられますよう、心から祈っております。

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