獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200902-23

Re:老犬の尿漏れ
投稿日 2009年2月7日(土)09時53分 投稿者 けりーずはうす

以前の書き込みを拝見しますと、会陰ヘルニアももっているということでしたが、ヘルニア部には膀胱は脱出していないのでしょうか。
上記の状態になると、膀胱が通常の場所にないですから尿を全て出し切ることができなくて、尿漏れを起こす可能性はあります。

また、尿漏れ=排尿障害には様々な原因が考えられます。
膀胱炎によるもの
年齢からくる神経系の異常や膀胱アトニーなどです
伺った症状からは、2つ目の膀胱の神経系統の異常か膀胱アトニーが考えられるでしょう。
いずれにしても、治療法は考えられる原因を検査や投薬によって一つ一つ消去していって追及することとなります。
特に、膀胱アトニーという膀胱の筋肉が尿を押し出す力を失ってしまった場合の治療法として
私はよく3日間ほど尿道カテーテルを入れっぱなしにして、いつも膀胱を空にしておきます。
すると、膀胱が再び力を取り戻し排尿できるようになることもあります。
もちろん、この治療および処置が効果ない場合もあります。

しかし、犬の年齢からあまり原因を探ることを主としていらっしゃらないのであれば
それは「漏れるもの」と覚悟を決めてオムツをするなどの処置に切り替えられればいいでしょう。
また、オスの場合私は飼い主さんに尿道カテーテルにて尿を抜く処置をご家庭で行っていただくようになることもあります。
手指やカテーテルの消毒を怠ると膀胱炎を起こし易くなるというリスクはありますが
膀胱に尿をずっとためておくのも膀胱炎になり易いのですから、リスクは同じように思います。
なによりも、本人がいつも尿意を感じてつらい状況ならば、それがなくなるわけですから
楽になるでしょう。
まめに尿の状態を主治医の先生にチェックをしてもらうことでひどい状態は避けられますから。

今回の排尿障害の場合は、去勢手術とは無関係といっていいでしょう。
確かに、避妊、去勢手術を行うと膀胱の周囲の筋肉が緩み易くなり尿漏れなどを起こすことはありますが
ホルモン失調が原因の状態なので、手術後何年も経過してからのことになります。

やはり、主治医の先生と治療法についてしっかりお話なさるのがいいと思います。

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