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意見交換掲示板過去発言No.0000-200903-9

Re:小鳥(フィンチ類)の人工授精
投稿日 2009年3月2日(月)11時45分 投稿者 プロキオン

小鳥の人工授精の経験者がレスをつけるということになりますと、おそらくどなたからもレスがつかないのではないかと思い、未経験者ではありますがひとこと。

ことりとこさんは、人工授精における受胎率というものを考えたことはありますでしょうか?
受胎率の向上には、卵子と精子を受精させるタイミングと子宮の受け入れ態勢がどのくらい整っているかが大事です。鳥類となると子宮の要素が省く事ができるので動物よりも簡単と考えられますか? 実際には、排卵のタイミングというのを測る術が動物以上に手間暇がかかりますし、種類によっては雌雄の判別すら誤って販売されている小鳥もあります。
日本鳥学界の方でもヤマドリの人工授精の試験報告を読んだ記憶がありますが、卵子の排卵されるタイミングを測るのは大変ですし、精液の方も誰がやっても精液が採取できるものではありません。
この点は重要な意味がありまして、トキに人工授精をという案が出た際にも「あいつらにできわけがない」とか「俺に任せろ」というようなあまり他所に聞かれたくないような話がありました。これをあるテレビ局が放送してしまっていたので、私も知るところとなりましたが。
つまり、受精適期の卵子も精子も容易に入手できないということになります。科学的な手法を講じてとなりますと不可能とも言えませんが、雌鳥にはある程度の侵襲を与えないとなりません。そこまでやっても 受胎率というのは自然の交尾には及びません。これは牛においてもです。

十姉妹となりますと、大納言や中納言等の梵天の作出がありますが、それはもう家中が十姉妹だらけとなって、種鳥の選定が行われます。種鳥を選んで発情飼料を工夫し、鳴き声を聞かせ、お見合いをさせて、一番発情の強い時を選んで交配させ、雌は一気に発情を終了させて産卵抱卵にもっていく。この作出経過こそが芸物の十姉妹を飼育している人の楽しみなのではないでしょうか?
そのためには、せっかく選んだ種鳥にわざわざ侵襲を与えてまで、自然交配よりも受胎率の劣る手法を施そうとは考えないと思います。雌雄の相性さえ合えばというか、発情していさえすれば、有精卵は産んでくれます。へたに人間が弄り回すとその産卵さえもおぼつかなくなってしまいかねません。
野生の血が強くて人間に飼育された状態での繁殖が困難というのでもなければ、とくに飼い鳥としての十姉妹・文鳥・カナリア・セキセイ等であれば、鳥自身に任せておいた方が繁殖していきます。むしろ産卵が続きすぎるので落鳥防止のために産卵を止めるための処置の方が求められているのが現状です。

えりすぐったペアの発情をシンクロさせることこそが、飼育者としての楽しみだと思います。うまくいかないこともあるからこそ、続けていく事ができるのだと思います。


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