獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200904-28

Re:鳥インフルエンザについて
投稿日 2009年4月17日(金)15時07分 投稿者 プロキオン

鶏の糞便からの感染の可能性というのは、否定できず、可能性としては考えられます。
けれども、養鶏場や養豚場のような施設の入り口には、コンクリートで一段低くなって消毒液を溜めておく消毒槽が設けられているのが普通です。出入りする自動車のタイヤを諸毒液の中に浸してウイルスや細菌を持ち込ませない、持ち出さないというための設備です。雨が降って消毒液が薄くなってしまったり、液を汚れたまま放置しておくということがなく、定期的にキチンと管理されていれば、タイヤに付着した病原体はきわめて拡散しにくくなるはずです。(鳥インフルエンザウイルスは、消毒薬に対しては極めて弱いです)
また、実際にどのくらいのウイルスが存在していれば他の鶏に感染を起こすのでしょうか? これには上の方の注意書き欄にある「動物よくある相談」の箇所をクリックしていただくと、その中の項目に「鳥インフルエンザ」についてのコンテンツがあります。その中でsaito先生が感染が成立するのに必要なウイルスの数と鶏の糞便の量をこのくらいということで記載してくださっています。下記に該当する箇所を転載しておきます。

ーーーここからーーー

鶏の糞から感染するためにはどのくらいの糞が必要になるのでしょうか。Virologyというウイルス関係の研究が発表される雑誌に掲載された論文(1998;252,331-342)では香港で起きたH5N1型鳥インフルエンザウイルスが鶏の糞便中にどのくらい含まれるのかを調べています。それによると鶏の糞に含まれるウイルス量は25℃では乾燥した鶏糞1gに約5万個,湿った鶏糞1mL(1cc)に約5000個程度です。感染に必要な1000個のウイルスは乾燥した鶏糞なら0.02g,湿った鶏糞なら0.2mlです。乾燥した鶏糞0.02gがどのくらいの体積になるのかちょっとよくわかりませんが,一般的に鳥の糞は軽いので,0.02gはそれほど少ない量にはならないと思われます。(しかも乾燥した糞のなかではウイルスは24時間以内に感染力を失います。)0.2mlはマウスの鼻が詰まるくらいの量です。動物だって鼻に埃がはいればくしゃみをしますし,鳥の糞はネズミの食べ物ではありませんから,鼻の中にそんな量の湿った鶏糞が入ったままになることは考えにくいです。

ーーーここまでーーー

つまり、実験的に(意図的に)感染させるのであれば、このくらいの糞便の量で感染が成立するかもしれませんが、屋外においては飛散してしまうので、これ以上の量が必要ですし、継続的なウイルスの供給がともなわないとならないということです。
非感染者が認識できないくらいの微量な量で継続的にウイルスに接触していることがポイントになると考えられます。そのために濃厚な接触をさけるようにという指導がなされるわけです。
かなり参考となることが記載されておりますので、「動物よくある相談」の方にも目をとおされるとよいと思います。


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