獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201004-45

Re:犬の脊髄炎発症後のリハビリ
投稿日 2010年4月26日(月)12時16分 投稿者 プロキオン

脳炎ではなく、脊髄炎の診断なのですよね、それもMRI撮影の結果にもとづく。

通常、街の臨床医が神経疾患を診断するとなると脊髄のどの部位に原因があるのかというのを考えます。この場合、上位の中枢に異常があれば、下位の中枢では亢進が見られる場合と麻痺になっている場合とがあります。反射の様子をを診ながら、原因となっている場所を搾っていくことになりますが、記載の中では、「四肢の麻痺」という箇所と「後肢について曲げたり伸ばしたり」の箇所とがあります。それですと、臨床症状の表現が一致しておりません。

また、同時に本当に脊髄炎なのかという気もいたします。投稿者であるもちさんが誤ったことを言っているという意味ではないのですが、記載されている状況というのは、脊髄損傷のケースでは比較的遭遇するように考えられるからです。
後肢が動くということが運動神経は生きており、知覚神経の部位に問題があるということなのか、もっと上の頚椎や胸椎に前肢の麻痺を呈すほどの異常があるのであれば、どこの部位にどのような原因があるのか、そしてそれは炎症なのか損傷なのかということを考えなくてはなりません。
MRIが撮影されているのであれば、その画像を見れば、これらの点についてはかなり明らかになるわけですので、何故、その画像診断の結果が治療に反映されていないのかが理解できません。
昨年12月に発症とありますが、もうじき5月になってしまいますよね。炎症であれば、炎症を抑える治療が施されていたと思いますが、どのような治療であって、どのような反応があったのか、MRIを撮影された病院との引継ぎはどうだったのか、あるいは、その病院における治療で効果がないので、元の病院に戻ってきたということなのか、どうもよくわかりません。

顎の骨折と四肢麻痺から、回復した症例と上腕骨骨折と四肢麻痺から回復した症例というのが、私のところではありますが、これらは炎症ではなく脊髄の損傷でして、なおかつ、直ちに治療にかかれた例です。
このような症例においては、時間はかなり貴重であって、そこが分かれ目となります。治療開始までに時間が経過していて病院に来た症例は、かなり難しいです。私のところにも後躯麻痺の猫がおりますし、友人の病院でもそのような猫をよく見かけます。

脊髄炎という診断が進行性の疾患ということなのでしょうか? 院長先生はどのような見解をお持ちなのでしょうか? 記載事項からでは、ちょっと全体像が把握できかねているのですが。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。