獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201011-4

Re:ウサギの安楽死
投稿日 2010年11月8日(月)11時06分 投稿者 プロキオン

ウサギの胃腸のウッ滞というのは、たしかによくありまして、気候気温の変動の際にはありがちなことと言えます。
治療というのは、まずウサギを水和して、消化管の動きを促すことになります。そもそもがウッ滞は、消化管の機能低下が原因であって結果ではありません。毛玉が溜まったから消化管の機能が低下するのではなく、消化管の機能が低下しているから毛玉が溜まるのです。
なにを拘ってこのような事を言っているかというと、手術しようがしまいが、消化管の動きが止まったままでいることが、予後に関して言えば、極めてよくないことだからです。
毛玉の摘出手術であろうと、他の手術であろうと、麻酔をかけて消化管機能をはじめとしてウサギの各生理的機能を低下させてしまうことは、ウサギにとっても、獣医師にとってもできる限り避けたいことであって、消化管にはなんとしても動いていて欲しいわけです。それが、ウッ滞ということになると、すでに最初から分が悪いというか、それだけリスクを負っていることになります。

したがって、手術を実施してもウサギが亡くなるということは、決して珍しい事ではなく、治療を成功報酬として捉えている飼い主さんも少なからずおられるわけであって、そこにおいてトラブルが起こりがちであるとも言えます。
お住まいが、海外ということであれば、この点は国内よりもなお一層顕著なのではないかと想像します。お住まいがどちらの国かは分かりませんが、欧米であれば、このようなケースであれば、他院を紹介するということもあまりないのではないかと考えられます。

当該ウサギが、手術で救命しえたのか、どのくらい延命できたのかは、実際に診療してみないかぎり、なんとも言えない事なのですが、罹った疾患とそれをとりまく動物医療事情が、「このようなケースには、このように対応した方がよい。」と定説のごとくなってしまったいたということではないかと思うのです。
欧米にしても、まだ10年20年前であれば、まだ飼い主の希望に沿うようにとチャレンジしてくれる獣医師もいたかもしれません。これは、なにも外科だけの話ではなく、犬の心不全も、欧米では薬剤コントロールが難しくなった時点で、安楽死が勧められるケースが大半ですが、日本の獣医師は、そこからスタートとなることが多いです。欧米に比べて日本は遅れているとよく揶揄されますが、お金を出せるものの医療と出せないものとの医療がそこにはあるわけですし、進んでいるということが、そういうことであれば、進むことが必ずしも幸せな事かとも考えます、とくに恩恵を受けることができないものにとって。



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