獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201107-5

Re3:白内障?
投稿日 2011年7月6日(水)10時41分 投稿者 プロキオン

>何と言いますか、全体にカラーコンタクトしたように色が違うのです。白い部分は全然ありません。

白い部分が全然ないとのこと、人間の白目にあたる部分は、普通の状態では動物では直視することはできません。眼球構造のうち白目に相当する強膜部分は、動物では正面から見て裏側に行ってしまっています。ですから、白目にあたる部分は見えなくてもおかしくはありません。
でも、記載されている様子ですと、このことを指して言っているのではなく、虹彩か角膜についてのことのようですね。白内障であれば、水晶体が白くなるわけですから、白い部分がないということになると、どうも白内障ではないかもしれませんね。

>この子は原因不明の感染症で、(中略)、エコーとレントゲンで脾臓と肝臓が腫れており白血球の数も高く、感染症だけど、その原因が不明です。

白血球が上昇しているので、感染症を疑っている、でも、その感染症の正体は不明であるということですね。

虹彩の色彩が変化して金目が青みのかかった銀目に変化してしまったという現象であれば、鶏の感染症においてであれば、たまに遭遇することはあるようです。この病気の場合は、肝臓や脾臓の腫大も伴うというか、眼よりもそちらがメインですし、白血球の増加もあります。なんかお話を聞くと、似ているように思います。
鶏では、教科書に載るような病気なのですが、どういう表現が妥当なのか、古典的とでも言いますか、今ではかなり減少してしまっていて、直接遭遇する事は稀になっています。
私の経験のなかからであれば、軍鶏の症例で、かれこれ30年くらい前のことになります。

また、角膜とくに角膜の周辺部分が青白く見える場合は、犬の伝染性肝炎の場合によく付随する症状として知られています。この現象の原因は前眼房内の水分量を調節している角膜内皮細胞がウイルスによる障害を受けて、水分排泄機能が衰えて起きると説明されています。こちらの病気は犬の病気ですから、このウイルスが感染したとも思えませんが、なにかしら同じような機序が作用しているのかもしれませんね。

いずれにせよ、眼球のどの部位に変化が生じているかで話が変ってきますので、やはりキチンとした部位の特定は必要ではないかと思います。

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