獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201109-1

Re3:インコの乳酸菌サプリについて
投稿日 2011年9月2日(金)10時58分 投稿者 プロキオン

様子を見ておりましたが、どうもレスがつかないようですので、私から。

>通常に存在する菌ですから大丈夫ですよと言われ、次に来なさいと言われたことがありませんでした。

おそらく、私も最初の先生と同じ判断をするのではないかと思います。

酵母様真菌が消化管(そ嚢)に存在するというのは、日常的なことであって、ほぼ常在菌という捉え方をしておいた方がよいかと考えていますし、真菌は、他の常在菌が活動しにくくなってこそ増加してくる傾向があります。本来的には、正常細菌叢と呼ばれる細菌達が活動して栄養源を先に摂取してしまうために、真菌は増殖するチャンスを得ることができないでいるというのが、通常の状態なのです。ですから、乳酸菌等を補うというのも、そこに目的があるはずです。
さまざまな薬剤を投薬するということは、それだけ、正常な細菌叢の活動を乱すことになりかねず、ハッキリとして真菌の炎症が認められるというのであれば、的を絞って抗真菌剤に登場してもらうだけです。文面から判断するに、おそらく、そこまでの状態ではないということなのでしょう。

因果関係から考えて見ますと、真菌は原因ではなく、結果なのではないでしょうか。
つまり、真菌が増えて体調がおかしくなるのではなく、体調がおかしくなっているから真菌が増えてきているということになるのだと推測しています。
パスツールだったか、コッホだったか、「病因論」−−病気になるのは、病原体が存在するからであるーーが唱えられて、なるほどということになりましたが、現実的には病原体に感染していても発病しないことは、珍しいということでもありません。
スミインコが、そうそう巷に溢れているということもありませんから、その誕生に際して虚弱な個体がいたとしても、私には不思議には感じません。むしろ、ありがちな話かと思います。


>五月に今の病院にたどり着き、内臓が腫れているらしいこと、ひなの頃に関節炎だったらしいこと、白血球の数が多いので、感染症の疑いがあること(たくさんの検査をしましたが、どれも陰性でした)、片目が炎症を起こしているらしいことが判明しました。

さまざまな問題点を取り上げていただいたようなのですが、1つの病名にまとまるということではなかったのですね? であれば、やはり個体の特性というようなものかもしれませんね。
そこから先は、獣医師と飼い主の相性のようなものではないでしょうか? 双方の考え方において合致したところを為していくということになるのでしょう。

昨夜のNHKにおいて、やなせたかしさんのアンパンマンの事が放送されていたようです。私は新聞の番組欄での紹介しか知らないのですが、アンパンマンは決してバイキンマンのことを殺したりはしません。やなせさんは、「バイキンが0でも人間は生きていけない。バイキンと人間の戦いは永遠に続く。」というテーマがあるのだそうです。
なによりも、アンパンマンのパンそのものが、酵母真菌の力を借りて生まれてきたものです。バイキンという括りで全てを否定するわけにも行かないのではないでしょうか。
私も、細菌を0にするのは、不可能だと思いますし、細菌と戦う力を持った者が生存して子孫を増やしてきたのだと考えています。

最初の投稿に戻りますと、すでに今の先生からも、乳酸菌を主体とする生菌製剤が処方されているわけですから、乳酸菌のサプリメントを重ねて服用させることの意味を判じかねます。今の先生は、それを承知されているのでしょうか?
また、乳酸菌の鳥由来株、動物由来株、人由来株の差異がどこまで及ぶかの論文は私は読んだ事がありません。

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